「初音ミク」ブームが盛り上がった要因の一つに、パッケージに使用されているキャラクター・イメージがあげられます。イラストと簡単なキャラクター設定だけを提示して、その解釈は、ユーザーに委ねる、という手法です。
あれについて、「アニメ風の、いわゆる"萌え"絵が受けた」という指摘がなされています。しかし、それだけでは無いと思います。なによりも、あの「初音ミク」というキャラクターは、誰が書いても初音ミクになる、というわかりやすさがあります。
私は、絵心はまったくありませんが、初音ミクを描いてみろと言われれば、描くことができます。髪は緑で、いわゆるツイン・テールで、服はグレー、袖とスカートとストッキングは黒。幼稚園児に、あのパッケージを見せても、初音ミクと認識できるものを描いてくれるでしょう。絵がうまい人が描いても、下手な人が描いても、アニメにしても、3Dモデルにしても、二頭身にしても、「初音ミク」という同一性が保たれる、という強みがあります。
そして、CGM(Consumer Generated Media)においては、「多様な解釈を許容しながら、誰が見ても、それとわかるもの」が、評価されることになります。これは、音楽でも同様で、楽譜と歌詞に対する多様な解釈やアレンジを許容しつつも、なおかつ同一性を保てる、というオリジナリティの高い楽曲が人気を集めることになります。
「伊達杏子」が駄目な理由は、いろいろあるのでしょうが、私が思うに、「描いてみろ」と言われても、特徴がないので描けません、という点が最大の欠点ではないでしょうか。

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