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【特別レポート】ナンバー・ポータビリティ・・・スペイン、ドイツ、フィンランド

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英国ロンドンで、21、22日に、ナンバー・ポータビリティに関するセミナー"Delivering Cost Effective Number Portability for Fixed, Mobile, FMC and VoIP Networks" (主催:Informa Telecoms & Media)が開催された。その発表の中から、スペイン、ドイツ、フィンランドの事例を紹介する。

●スペイン・・・ボーダフォンの積極策

London_025 スペインの事例について紹介したのは、 調査会社OvumのMarta Munoz Mendez-Villam氏。スペインでは、1999年にMNPが導入されたものの、当時、携帯電話の普及率は40%と低かったことから、そのインパクトは、それほど大きくなかったという。2005年になると携帯電話の普及率は100%に達したが、ボーダフォンは、顧客をつなぎとるための積極的な施策をとり、MNPの純増減数では常にプラスを維持した。

London_026 また、ARPU(契約者一人あたり売上高)の低いプリ・ペイド契約者の比率は、2001年は56%だったが、2005年には51%に低下し、全体のARUPの改善に貢献。また、2004年からは、Churn(契約者の他社への移動)の比率も、低下するようになった。スペインのボーダフォンは、NMPを効果的に活用し、また、顧客をつなぎ止めることにも成功したといえる。

●ドイツ・・・O2の戦略

ドイツの事例について紹介したのは、O2のMarkus Haas氏。O2は、もともとイギリスの携帯電話キャリアだったが、2005年にスペインのテレフォニカに買収された。ドイツでは、T-Mobile、ボーダフォン、Eプリュスにつぐ、4番手のキャリアである。

London_027 ドイツでは、2002年にMNPが開始されたが、MNPを行う際にユーザーが支払う費用が、22.50から116.00ユーロ(3150から1万6240円)と高額のため、これまでにMNPを行ったユーザー数は80万人と、携帯電話ユーザー全体の5%にすぎない。また、Tモバイル、ボーダフォンの大手2社が、MNPを積極的に宣伝していないことから、MNPの認知度も低い。その中では、4番手のO2は、顧客拡大のために積極的にMNPを活用し、シェアを伸ばしている。

なお、O2の実施した市場調査では、携帯電話ユーザーがMNPに払う手数料として、容認できる金額は10ユーロ(1400円)という結果が出たという。

●フィンランド・・・キャリア間の激しい競争

フィンランドの事例について紹介したのは、Numerot NumpacのMarkku Brummer氏。Numerot Numpacは、フィンランドの携帯電話キャリア各社が共同で設立した、NMPによって移動する携帯電話番号を管理する会社である。

London_028 フィンランドでは、2003年にMNPが開始された。510万人の携帯電話ユーザーがいるが、そのうち2003年から2005年の2年間でみると、少なくも一度はNMPを行った人は、210万人いるという(累計では300万人)。フィンランドでMNPの実行率が高い理由は、手続きが簡単、ユーザーがMNPを行う際に支払う手数料が無料、携帯電話キャリア間の競争が激しいことなどがあげられる。また、キャリアによる携帯電話端末へのインセンティブ(販売奨励金)が禁止されているため、端末価格に関して、大手キャリアが有利になることもない(ただし、3G端末に関しては2006年4月よりインセンティブが認められる)。

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