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ウィキペディア考-4-

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ウィキペディアとグーグルの関係は、ちょっと微妙なものがありますよね。

グーグルは、あるキーワードにヒットしたサイトを表示してくれるものの、それらは専門家の作ったものから一般の人の作ったものまで、つまり情報の信頼性の高いものから低いものまで、一緒くたに示されます。だから、欲しい情報にたどり着くまでには、ある種の検索スキルが必要となります。

一方、ウィキペディアは、書き込みをする人たちによって、ある程度の合意が形成されたものを公開する(ことをめざしている)ために、それほどのスキルがなくても、知りたい情報がえられます。

ただし、現状のウィキペディアは、それぞれの記述が信頼性に欠けるために、編集者や専門家によるチェック・システムを導入しようとしています。

ところでグーグルは、昨年12月から、米英の5つの図書館の蔵書をスキャンして、その一部を閲覧できるようにするプロジェクトを進めています(ただし、アメリカの出版社や作家の団体は、「著作権侵害に当たる」と主張しているため、このプロジェクトは、現状ではストップしています)。

ウィキペディアは、記述の信頼性を高めるために専門家の参加を促し、一方グーグルは、専門家が書いたものをスキャンして読めるようにしようとしている・・・。この競争は、どちらが勝つのでしょうか?

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