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技術用語全般のオーバーロードについて

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「サービス」という言葉のオーバーロード(ひとつの言葉に多くの意味があること)について書きましたけど、他にも「オブジェクト」とか「アーキテクチャ」とかやっかいな言葉がいっぱいあります。

先のエントリーへのManabuさんのコメントで思い出しましたが、「英語圏では、技術的概念に対してできるだけ既にある日常語を割り当てようとする。一見わかりやすそうだが、かえって混乱を招いているのではないか。」という趣旨の記事を大昔に読んだことがあります(たぶん、共立出版の今はなき「bit」誌だったと思うのですが、記憶不鮮明)。

たとえば、"program"という言葉をとっても、既に「計画」とか「番組」という意味で日常的に使われていた言葉をオーバーロードして使ってるわけです。「(TV)番組の管理をするプログラム」と英語で書くと、"program managing the programs"となってしまいます。このくらいならば前後の文脈でわかるかもしれませんが、"service"のように意味の相違が微妙だと混乱の元になりかねません。

日本語でも、最近はほとんどの述語をカタカナ書きするので同様な問題が生じてしまいます。だけど、昔は、たとえば、"program"であれば「算譜」というように、絶対に他の言葉と混同しない新しい言葉(しかも、漢字のすばらしい点で、はじめて見ても大体の意味がわかる言葉)を作り出していたのですよね。

カタカナ書き全部やめるとかえってわかりにくくなりそうですが、たとえば、SOA=「業務部品指向システム構築手法」とでも訳せば、述語の本質もつかみやすくなるし、混乱も少なくなるのではと思います。

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