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プログラミングでメシが食えるか!?

プログラミングでメシを食わせろ!!→理想のリーダーとは

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8冊目の著書「プログラミングでメシを食わせろ!!」は、6冊目の著書「プログラミングでメシが食えるか!?」に比べて反響が少なく、「食えるか!?」の方は発売後すぐにAmazonやブログで批評いただいたり、あるいは「一度会いませんか?」とお誘いいただいたりしたのですが、「食わせろ!!」はいまだに書評もほとんど見かけません。批判ばかりだとめげそうにもなりますが、何の反響もないのも寂しいところ・・・と思っていたら、以前もすばらしい書評を書いてくださっていた方が今回も丁寧にブログで紹介してくださっていました。

本書は技術ネタではないので、あまり尖った内容でもなく、当たり前のことばかり書いてあるというイメージを自分でも感じているのと、リーダーと言っても組織の規模・目的によって立場・考え方も全く違うものではないか、という面もあり、かといって、いわゆるリーダー論を単にまとめ直すのでは面白味がないと考え、偏っていても、私の実体験をもとにした考え方などを紹介しようと、執筆中は自己啓発本を一切手に取らずに書いたものです。

私の理想の組織はトップダウンで動く組織ではなく、ボトムアップ、つまり、メンバーが自らやりたいことを実現していくような組織です。大規模な組織全体でその考えはまず通用しないと思いますが、中小規模で新しいものを生み出すような組織では、やっぱりメンバー一人一人の熱い思いがポイントと考えているからです。トップダウンではトップの力以上のものはなかなか生まれませんが、ボトムアップならメンバーの個性の合計分の可能性があります。それを上手く引き出す環境作りがリーダーの重要な仕事だと考えています。

もちろん会社組織では社会貢献によって利益を生み出すことが前提ですので、メンバーたちの考え・行動が会社全体の想定から外れたり逆行したりしないよう、誘導・修正することも大切です。また、新しいことをやろうとすると反対勢力が必ず生まれますから、チームを守る行動や根回しも必要でしょう。

不景気な時代では、待遇でメンバーのやる気を出させるのは難しいものです。しかも私の経験上、待遇は意外とすぐに慣れてしまうのです。待遇を餌に常にやる気を維持させるのは難しいのです。一方、メンバーが自らやりたい・取り組みたいと考えていることを立ち上げさせ、様々な試練を乗り越え、成功に向けて進んでいくという取り組みは、待遇とは別次元のやりがいを感じさせることができます。リーダーとしてはメンバーのそういう思いを引き出し、どうすればそれが本当に花開くのかを一緒に議論し、取り組ませることで組織の活性化が図れます。

本気で取り組めば、仮に大きな成果に結びつかなかったとしてもメンバーは貴重な経験を得ます。次につながるのです。チャレンジさせることができるリーダー、チャレンジできる組織が私の理想です。

不正接続検知システムIntraGuardianを中心としたIT製品開発販売の取り組みは、まさにメンバーの熱い思いから生まれたプロジェクトです。メンバーたちは苦しい経験もたくさんしながら、それでも自分たちでやりたいと言ったことだから、と本気で取り組んでいます。様々な応援も内外からいただける状態になりつつありますが、進んでみて初めて気がつく不安もまだまだたくさん抱えながら、それでも自分たちの思いの実現に向けて進んでいます。私がトップダウンで「こういう方針でこうやれ」と言ったのとは全く違う動きをメンバー自らしているのです。

今の若者は気力がないとかいう意見もありますが、私はむしろ社会や業界が成熟してしまって、若者にチャレンジできる機会を与えていない、見せていないのではないかと感じています。新しいことをはじめて立ち上がりつつある状態になると力で奪われたりつぶされたり、というイメージがあるのではないかな、と思っています。

不景気な時代こそ若者の熱い思いが必要なのではないでしょうか。

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