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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

既得権を持つ抵抗勢力の論理は理解が難しい

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 コンサルタントという職業をやっているとどうしても顧客先の抵抗勢力と対峙する。特にITコンサルの結果、既存のシステムを新しいものに置き換えようとする際に抵抗勢力が現れることが多い。その抵抗勢力の抵抗理由にはいろいろあると思うが、その中でもやっかいなのは、仕事とか社内的地位といった既得権がらみの場合である。
 
 私がかつて経験したプロジェクトでは、社内の基幹システムをERPパッケージで再構築しようという検討PTが立ち上がった際に真っ先に情報システム部門が抵抗勢力になった。
 これはある意味当然である。新システムが入ると、永年かけて手作りで構築してきた既存システムのCOBOLやPL/IRPGのソースコードの隅々まで知っている彼らの存在意義や社内でのポジションは一挙に瓦解する可能性が高い。組織の中で自らの職が不要である、あるいは不要とすることを提案できるような人は少ない。
 こういった生活基盤にすら影響の出るような既得権を失うという状況になると抵抗勢力は死に物狂となり、あの手この手で反論をしてくる。その中には論理的なものもそうでないものも含まれるだが、厄介なのはこの非論理的な“反対のための反対”意見のほうだ。ちなみに非論理的といってもそこは組織人のいうことである一見論理的だと思われる形式に包んで反論をしてくるのだ。「COBOLでだってこう書けば、その機能は実現できます」とか「以前に特別に我が社用に作ったこの△△の処理をそのERPソフトでやろうと思うと修正が沢山必要です」といった風に。さながらその姿は以前の栗原さんのエントリーにあった「論理のわかってない人々について」のようだ。

 さてこうした場合にどうするか。言っていることが非論理的だといってもそれはお客様の言うこと、我々仕事を貰っているコンサルタント側としてはそうそう無碍には扱えない。「非論理的です」とばっさり切り捨てるのではなく、時間をかけて、ひとつひとつ論理的に構成をし直して説明をしていくしかない。「反対のための反対」の多くはこれで整理できるが、それでも最終的に両者の意見がかみ合わないこともある。
 こうなるとどうするのか?ます論点を表のようなものに整理する。この表には論理的な意見もそのまま載せる。そして顧客側のしかるべき立場の方に両者で説明をして彼に判断をしていただくことになる。多くの経営者はプレゼンの際に非論理的な部分に気がつく(気がつかないケースもある)しかし、気がついたとしても最終的に論理を重んじるかはまた別の話である。非論理的とはわかっていてもそれを選ばざるを得ないケースも多いようだ。そして結末がそうなった時には、我々コンサルタントは落ち込み、その夜は酒を呷るのである。

 私は永い間このようなこみいった話は基幹系システムでのみ起こる話だと思っていた。だから私は情報系を専門にしていた(嘘)のだが、ちょっと前にこのブログでもこういうはめに陥ってしまったのだ!

 何ヶ月か前に「Notesの限界」というタイトルでとりあえず現在のNotes/Dominoの課題を列挙しはじめたところ、いきなりすごいコメントをいただいて震えてしまった。確かにNotes/Dominoはその圧倒的な柔軟性を生かして社内の情報系インフラの大部分を担っているケースが多い。したがってどうやらNotes/Dominoの欠点の指摘=Notes/Dominoを置き換えるという議論=情報系インフラの担当者の失業という連想を生みやすいらしいようなのだ。こうなると基幹系システムのリプレースの際と同じ反応がここに起こりえる。そんな場面では当然社内失業を防ごうとくだんの技術者と同じような反応が生まれる。

 ちなみに当時にこのエントリーを見た他社の同業アナリストには「吉川さん、思い切ったこと書きましたね。大丈夫ですか?」とわざわざ心配をされ、さらには他の人には「情報系でやっていくのなら、Notes/Dominoのことは書かないことだ。褒めてもけなすのもやめたほうがよい。」というアドバイスまで頂く始末。

 そんなもんなのかと思いながらも、前向きな議論ならウエルカムだが抵抗のための反対意見との議論は時間の無駄だとも思うので、それ以降はなんとなくNotes/Dominoの話題を避けていたのだが、昨日オルタナティブ・ブログに「けんじろう と コラボろう!」というブログが開設。他にもここには趣味がNotes/Dominoというブロガーまでいる。

 果たしてこれは、友人が心配していた某組織からの刺客なのだろうか?戦々恐々、夜道は気をつけねば・・

#最後の部分はあくまで冗談ですので誤解なきように。今後はぜひ前向きにいろいろ議論していきたいと思っています。

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