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大幅アップデート! Facebookインサイト 新機能7つのまとめ

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10月6日、Facebookページに新しい指標が加わりました。ファン数(いいね!の数)の下に「言及している人」という数字が表示されています。日本語版ではこの数字だけがポンと出されていますが、実際にはFacebookのインサイト機能自体が大きくアップデートされているようです。「言及している人」以外にも追加された機能や変更点があったため、まとめてみました。

ざっと見たところ、Facebookページ周りにいるユーザー(Facebookはオーディエンスと呼んでいます)に関するコンセプトのアップデートがあり、それに伴い機能面の変更があったようです。

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コンセプトのアップデート:ファンとリーチの概念が分けられ、「言及している人」の概念が加わった。

これまで投稿へのリアクションをインサイトで確認する場合、ファン以外のリアクションも交じった指標が一部使われていました。これまでは「インタラクション」として表現されていましたが、「ファン」と「(ファンを含めて)Facebookページに対して何らか反応してくれた人=リーチ」を分けて考えるようになっています。またこれまで回数ベースで処理されていたユーザーからのリアクションが、人数ベースで把握できるようになりました。「言及している人」機能の追加です。

機能面のアップデート:機能が「Fans」「Reach」「Talking About This」の3つに

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これまで「Users」「Interactions」の2つに分けられていたインサイトのタブが、「Fans」「Rearch」「Talking About This」の3つに変更になりました。「Talking About This」は新規追加、「Fans」「Rearch」は「Users」「Interactions」の一部機能の追加や変更があった模様です。

では細かい機能の追加を見てみましょう。

機能追加1.リーチした人の属性情報が分かるようになった
Facebookページの投稿は、ファンからのリアクションを通じて、ファン以外のユーザーにも伝わります。ファンを含めて、投稿が届いた人=リーチの性別や年齢、居住地等の割合が分かるようになっています。

Newinsight1

機能追加2.投稿のリーチ経路がざっくり分かるようになった
Facebookページの投稿がどのように見られたのか、以下の3つに分類され、時系列で推移が確認できるようになりました。

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・Organic
・Paid
・Viral

「Organic」はFacebookページの投稿を直接見たユーザーです。ファンによる閲覧が主だと思われます。「Paid」は広告経由で投稿を見たユーザーです。「Viral」は、いいね!やシェアによって拡散した投稿を見たユーザーの数です。

機能追加3.投稿の閲覧頻度がわかるようになった

Newinsight3

投稿を1度だけ見たユーザーがx人、2回見たユーザーがy人……と、閲覧頻度の度数分布が見れるようになりました。

機能追加4.「言及している人」の属性情報が分かるようになった

Facebookページの投稿に何らかのリアクションを取ったユーザーの属性情報がわかるようになりました。なお「言及している人」はFacebookページにいいね!した人、つまり新規にファンとなるアクションも含まれています。

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機能追加5.何に対して「言及している」「リーチしている」のか分かるようになった

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「言及している人」やリーチした人が何に対して言及たりリーチしているのか分かるようになりました。

・すべて
・ページへの「いいね!」(=新しくファンになること)
・投稿への言及(いいねやコメント、シェア等)
・ページへの言及および写真のタグ
・その他

の5つについてその推移を見ることができます。

機能追加6.投稿ごとに「リーチ・エンゲージしたユーザー・言及したユーザー・バイラルの度合い」が分かるようになった

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新しいinsightのトップページ(これまで概要/Overviewsとされていたページ)に、投稿内容とそれぞれのリーチ/エンゲージ/言及したユーザーの数が表示されています。またリーチ/エンゲージ/言及の数にマウスオーバーすると、それぞれどういった経路でリーチしたのか、エンゲージの種類・言及の種類などが分かるようになっています。「エンゲージ」は投稿に対して何らかのクリックが発生したユーザーを指し、「言及」はそのうちいいね!やシェア、コメントなどが発生した場合を指します。

リーチ

Newgraph1

エンゲージ

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言及

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機能追加7.データのエクスポートが2つのレベルから選べるようになった

インサイトのデータはこれまでもエクセルファイルやCSVファイルでエクスポート出来ましたが、新しいインサイトでは「Facebookページに関するデータ(Page level data)」「投稿ごとのデータ(Post level data)」から選んでダウンロードすることができます。

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またエクスポートされるデータの中身も、上記の機能追加によって大幅に変わっています。

機能変更.ファン数の積み上げ推移が見えなくなった?
日別の新規ファン数はグラフ化されていますが、積み上げのファン数の推移がわかりません。今後追加されるのか、それともインサイトの画面からは外されてしまったのか、いずれにせよどのタブからも今のところ見当たりません。ただデータをページレベルでエクスポートすると、その中にきちんと積み上げのファン数データがあるので、大きな問題はなさそうです。

まだ英語版のみ?
これらの新機能は、Facebookの言語設定を「English(US)」に切り替えたうえで再度、自分の管理しているFacebookページを訪れると、使えるようになるようです。またFacebookによるガイドもあります(PDF)。

Facebook Page Insights Product Guide for Facebook Page owners

ファン数はあくまで中間指標

今回のインサイト機能のアップデートは、Facebookページの運用面をよりサポートしようというFacebook側の意図が感じ取れます。オーディエンスを「リーチ/エンゲージ/言及」といった具合に分類し、Facebookページの運用者が彼らとどの程度関係を築けているのか可視化されるようになりました。これらの指標をどのように活かすかはFacebookページの目的次第ですが、いずれにせよファン数はこれらの指標に影響を与える要素の1つでしかありません。これまでもそうした側面はありましたが、今回Facebookがファンに紐づいた指標ではなく、あくまで投稿に対する閲覧・クリック・言及といった指標を強化したことで、そうした色合いはより一層強くなりました。

新しいインサイトを活用してどのようにFacebookページの運用に活かすのか、今後このブログでも随時取り上げていきたいと思います。

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