株式会社ユーシンとソフトバンクによる後継者公募を見ておもう。今後の中堅・中小・ベンチャー後継者はどうあるべきなのかと。
6月25日の『ソフトバンク 新30年ビジョン』発表による孫正義氏の後継者公募(7月28日に公募開始)、そして、株式会社ユーシンによる社長公募(7月中旬発表、7月25日に日経および読売で正式な公募)という2つの後継者公募がありました。
ソフトバンク孫さんについては、「さすが!」と思う訳ですが、株式会社ユーシンについては、ある意味「スゴイ!」と思いました。
◆株式会社ユーシン http://www.u-shin-ltd.com/top.html
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ソフトバンクは、既に知名度も高く、話題性としての価値と、まじめに有能な人材を育成したいという考えだけでも、アリでしょうし、小さな驚きにとどまりましたが、ユーシンの場合は、製造業でかつパーツメーカーですから直接ブランドを目にするのは、主に自動車関連企業しかないかと思います。
それがいきなりの社長公募です。 孫さんの新30年ビジョンからそれほど時間が経過していませんから、『やるぞ!』と思われたのかもしれませんが、面白い記事として、
2010/7/15 上場企業が社長公募―大手自動車部品メーカーのユーシン(ウォールストリートジャーナル)
なるほど、世界でもニュース(話題)になり、世界戦略上の社長募集というテーマを掲げているなかでの海外での知名度向上という、募集する前から既に一定の効果が得られているという。(WSJに広告出すよりいいよね的なインタビューも面白いですが。)
一方で気になるのは、同社のTOPICSです。
(役員関連を中心に見て頂ければと思います。)
仮に、私が英語堪能だったとしても、なかなか踏み切れるようなTOPICSではなく、しかしながら1700人以上もの応募があったということで、そういった方々は、どこまで会社の事を調べてエントリーしているのかなぁとか、エントリーしてから調べるのかなとか、ふと思いました。
更に、今回の応募のように、英語ができてビジネスができる人を経営者として育成すべきなのか、はたまた、経営者の資質やコミュニケーションスキルを有する人に英語の能力を高めてもらうのかという点も気になるところでした。
1700名の応募ですから、全てを持ち合わせた人が含まれている可能性も十分にあると思うので、『してやったり』の方策ですが。
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そして今後、未上場のベンチャー企業は、後継者を育てていくのであろうか?、はたまた公募していくのだろうか? と考えさせられます。
内部登用はとても重要な指針だと思いますし、内部に拘りすぎることなく、適任者を採用していくべきなのかという、まるで、ビジョナリーカンパニーでも読んでいるかのごとく、かといって正解があるわけでもなく。
昨日のオルタナブロガー小俣さんのブログ
2010/08/17 経営者と社員の食い違い
などを見ていても、内部登用により小俣さんが社長になったとしても、創業者(株主)と従業員との狭間にたち、ご苦労されている(いや、ある意味楽しまれている)様子がうかがえます。
内部登用型だからではないかもしれませんが、日本シー・エー・ディー社では、従業員が社長に言いやすい環境が既に構築されており、食い違う部分があっても、とても良い会社へと進化し続けているかと思います。
一方、どこの会社という特定はできませんが、外部登用の中小・ベンチャーの例を見ると、その方のキャリアであったり、地位といった過去が良かったからといって、必ず成功するわけでも、必ず失敗するわけでもないようで、コミュニケーション上の問題というか時間を要するということなどはあるかもしれませんが、適任者が見つける事ができた場合に、外部登用は成功しているように見受けられます。(内部に入り込んでいないので、確定的ではありませんが。)
もう1つがM&Aによる会社の融合、または子会社経営の中で、優秀な経営者を本体の社長にポジションアップするというケースもあります。
グループ内=内部という見られ方や、共通の目標をもっている仲間からの排出は、従業員の大きな反発がなく、確かに、ポジション争いをする役員クラスでは、いろいろとあるかもしれませんが、段階を踏むということで、良い方法ではないかと思います。
最後にもう1パターン。ファミリーから後継者をあてがう方法です。
二代目・三代目という承継をしている企業であれば、そういうものという見られ方もあるかもしれませんが、外部にいた親戚らしい人であったり、娘婿であったりが継ぐとなると、かなりの反発を食らってしまうことでしょう。
それでも、ホッピーの会社のように、内部でしっかりと積み上げて、後継者として育っていくケースもあるわけですから、ファミリーがダメだとも言いにくい。
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なんでしょう。 結論というか、良し悪しというパターンが無いのですが、 会社の基本理念に基づく後継者育成もしくは登用を明示 することで、『うちはこういった会社』(内部登用する、外部から登用する可能性がある、●●な人が経営する・・・)だということが伝わり、見える化とも異なるかと思いますが、更に経営者が基本理念に基づく細かいポイントを伝える努力をすることで、企業を永続させていくために必要な従業員と経営陣の両輪を育むのではないかと思います。 当然ながら、内部・外部の変化に伴い、どのような人が経営者になるべきなのかという状況が変わったり改善点があれば、それを反映させたものを形として改め、『わかっているだろう』と思わずに十分な説明をする。
そんな経営陣がいると、おのずと、適任者が定まるのではないかと思った後継者の話題でした。
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◆関連リンク
- ソフトバンク 新30年ビジョン
http://www.softbank.co.jp/vision/ - ソフトバンクアカデミア
http://www.softbank.co.jp/academia/ - 2010/07/28 「ソフトバンクアカデミア」の入校希望者を募集開始
http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2010/20100728_01/