中小・ベンチャーのオフショア活用を研究しているオックスフォード大学修士の学生さんインタビュー
火曜日に「C&D的ビジネスモデルを志す法政大学ビジネススクールの社会人学生さん 」ということで、アップしましたが、水曜日も、学生さんとの時間を過ごしました。
こんかいは、オックスフォード(Oxford、以下、Ox)に留学している20代後半の学生さんですが、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス→外資コンサル→海外勤務経験→Oxな学生さんで、修士論文の為に帰国して、あっちこっちインタビューして、今朝、Oxに帰っていきました。
日本のベンチャーで、アジア複数個所でのフルオフショアリング(アウトソーシング)している企業もあったようですが、
日本の中小・ベンチャーは、一般的に、オフショアリングできるのでしょうか?
どんなときにオフショア活用できるのでしょうか?
といった話をいくつも重ねましたが、今回も、勝手には書けないので、当方が伝えたことを中心に。
- 言語力
- 文化ギャップを含むコミュニケーション力
- ニアショア(国内・地方)のパワーアップ
- 発注力(額)
という大きく4つのポイントで、『日本の』中小・ベンチャーのオフショアリングは、厳しいのではないかということを伝えました。
もちろん、当社の場合は、活用しているわけですが、中小・ベンチャーがオフショア活用していくためには、いろいろな課題を解決しなければ、広く遍くという状況に至らないであろうという私見を伝えました。
以下、順番に、
【言語力】
英語ができて、ビジネスができる・技術力がある。あるいは、相手方に日本語力がある。
そんな、人員を内部に留保して、スキームが簡単につくれるなら、Happyですね。
ですが、多くは、何れかが欠けてしまうかと思います。
欠けたものを補う教育するパワーを(コスト負担や人員配備ができる)中小・ベンチャーは、なかなかもちえない。
【コミュニケーション力】
言語力が弱くとも、双方に、コミュニケーション力があれば、解決できることも多いかもしれません。自らの言語力の弱さを何とかコミュニケーション力(あると勝手に思いこんでいるわけですが)でカバーしてきた経験としては、相手が聞いてくれる、こちらも聞いてあげるというバックグラウンドが必要ではないかと思います。
伝え方も、ものごと・進め方の考え方も異なる異国の人と、十分なコミュニケーションをするには、相手方を知る努力や、リスペクトする相手である必要があるかもしれません。
たとえば、スゴイ技術者、スゴイ営業マン、スゴイ経営者であれば。
事前に、相手の国、地域、相手のキャリアに関わる情報(企業やテクノロジーや・・・)などを調べておいて、お笑い的にいうなら「つかみ」がOKになるような状況まで配慮するとか。
(私的経験では、インドとパキスタン、独立記念日がいっしょなのに、一方は24時、一方は0時で日付が異なるところとかを事前に知っておく事とか)
【ニアショア】
景気後退、派遣切り、リストラ・・・流動化した人材が、故郷に戻るケースも多いからかもしれませんが、地方には、人材がプールされつつあると思います。
宮崎県の東京事務所にいる方も、「ITベンチャーよ、宮崎へ!」という県の方針もあり、あちこち、動いている方もいらっしゃいますし(半年ほど前に、東京事務所の方に東国原知事ボールペンをもらったので、プチ宣伝? :)、実際に、宮崎県ソフトウェアセンターを作ったり、宮崎大との産学連携を模索したり、実際にCECさまなどの拠点があったり(宮崎台ではなく)、けっこうなデータセンターがあったり・・・
ブリッジエンジニア、ブリッジ企業が入らずに、フツーのコミュニケーションができるニアショアは、オフショアへのダイレクトな発注をする必要性をなくしてしまいそうかなと思っています。
但し、 発注者→ニアショア→オフショア という構図はあると思います。
ニアショアに、グローバルコミュニケーションを得意とする体制ができればですが、きっと、そこは、フツーの中小・ベンチャーではなく、課題解決可能なパワフルなベンチャーなのか、人なのか。
【発注力】
中小・ベンチャーの発注額は、大企業の比べ物にならないので、相手方も、大企業案件がきたら、中小・ベンチャー案件に、アサインできず、、、もちろん、単価面でも。
インド・中国とオフショアリングでは、人件費削減メリットが薄くなっているので(ITは特に)、中小・ベンチャーは、どこにメリットを享受できるのか?と。
SAP・メインフレームなどのエキスパータイズを求められる案件を中小・ベンチャーは、あまり受注しないでしょうから、オフショアリングをするべき状態にならないということも、1つのポイントだと思います。(そういったスタッフを多数そろえているオフショアは、強みがあり、大企業からの受注を獲得しているわけですが、今は、案件乏しく、大変かなぁと。)
と、Ox学生さんにパーミッションもらってから、もう少し、書き足したいとおもいますが、今日のところは、こんなところで。