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需要予測システムは必要か?需要予測システムはあたるのか?その4

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東関東大震災によって想定外、予想を超えた事態、未曾有への対応が叫ばれている今、敢えて需要予測システムに関して書いています。

需要には連続需要と非連続需要(間歇需要)があります。今回は連続需要でのSmartForecastsの事例を報告します。

ITpro2002年6月17日の記事によれば、『オリンパス光学工業は5月末から,光学機器向けのサプライチェーン管理(SCM)システム「Microscope Advanced Planning System(MAPS)」を稼働させた。半導体や液晶基板などを検査する顕微鏡など約3000種類に上る光学機器が対象。多品種少量生産型の光学機器について,需要予測と週単位の生産計画,販売計画(販売拠点は別法人になっているためMAPSでは「購入計画」と呼ぶ),在庫計画の策定を行う。新システムの活用で,在庫の半減を目指す。「これまでは3カ月先の生産計画を1カ月かけて策定していたが,MAPSの導入で1カ月先の生産計画を1週間で算出できるようになる。需要予測の精度を上げるなどの努力を続けていくことで,2,3年後には在庫を半減できるようにしたい」と,同社医療システムカンパニー光学機器事業企画部の小沢祐治SCM担当部長は意気込みを語る。MAPSは,オリンパスの東京本社に設置し,光学機器を生産する伊那工場と,海外拠点3カ所を含む四つの大規模販売拠点が利用する。』とあります。

MAPSは,販売拠点で製品の販売予測データを作成する「需要予測システム」と(生産・販売(購入)・在庫の計画を一括して作成する「PSI計画システム」で構成されます。需要予測システムの大きな特徴は,SmartForecastsが作成した9カ月分の需要予測データをいったん各販売拠点の担当者に公開し,変更できるようにしたことです。「“顧客企業からの引き合いが多く需要予測データよりも販売台数を増やしたい”といった,各拠点の事情を反映した予測データを作成できるからです。

又、SmartForecastsは販売計画に対応する各倉庫の安全在庫数を求める機能を持っており。この機能を利用して安全在庫数を決めています。

需要予測システムからのデータを販売拠点で変更できるのは,約100種類の代表的な製品に限ります。残りの製品は100製品の予測データをもとに,自動的に予測データを算出できるようにしています。

PSI計画システムでは,SmartForecastsで作成した販売予測データに,全社の生産・販売実績のデータなどを加えて,生産・購入計画を作成します。従来は生産拠点で生産計画を,各販売拠点で購入計画をそれぞれ策定していました。
PSI計画システムでは,マニュジスティックスの「NetWORKSMaster Planning」を利用が利用されています。マニュジスティックスにも需要予測モジュールがあるにも拘わらず、需要予測にはあえてSmartForecastsが採用されました。

又、日本特殊陶業では、自動車関連事業部門では、国内、海外のほとんどの自動車に使用されているプラグ、を主として酸素センサーおよびケーブル、キャップなどを製造販売しています。国内供給体制における国内流通在庫および海外供給体制における海外販社在庫の適正化を目的としてSmartforecastsによる実需連動型補充システムを構築しました

各製品ごとに調達リードタイム、サービスレベル、予測手法を設定することにより、倉庫別の各製品の適正在庫化を図っています。月初および、月中旬の生産依頼と、毎週の欠品管理の仕組みにより決めの細かい在庫管理を行っいます。毎回の発注担当者の意思決定(サービスレベルの自由な変更によるシミュレーションなど)が容易に出来るようなシステムとなっています。

次回は非連続需要(間歇需要)の導入事例を書いてみたいと思います。

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