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メディアプランナーのつぶやき。ITおよび製造業のマーケティングについての考察。ときどきマンガとアニメ。

製造業におけるTwitter - 【ケース1】DMS(設計・製造ソリューション展)

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もう6月が終わってしまいましたね。紅白から半年経ったことになります。
そのタイミングにワールドカップで国民的な盛り上がりがあった、というのは何か周期的なものを感じます。最高視聴率は60%を超えていたとのこと。お祭り好きなんですよね、皆。かくいう私もTwitterでも家でも叫んでいました。勇気をもらいました。ありがとう日本代表。

さて、お祭りというわけでは無いのですが、「設計・製造業界」でも年に1度の大きなイベントがあります。それが「設計・製造ソリューション展」。通称DMS。

毎年6月下旬にビッグサイトで開かれ、約8万人が訪れる展示会です。日本の底力である「品質」「技術力」や、「すり合わせによるモノづくり」の基となる部分を目の当たりにすることが出来ます。併設して開催されている「機械要素技術展」などでは「微細・超精密加工」から「ネジ・ばね」などといったテーマまでカバーされています。全国から「ウチの技術を見てくれ!」と腕自慢企業が集うのを見るとワクワクしますよ。

もちろん、私が担当している製造業メディアの@IT MONOistでも特集を組んでます。

■大規模展示会とTwitterの相性

このDMSについても、Twitter上のコミュニケーションが行われていました。
#DMS や #DMS2010 というハッシュタグ(非公式)があり、出展企業がブースへの呼び込みとして告知したり、来場者同士の情報共有として使用されていました…が、あまり活性化しているようには見えませんでした。Twitterのユーザー数がキャズムを越えたとは言え、製造業のエンジニアや現場の人たちに広がっていくのはもう少し先なのかも。

また、そういう要素とは別に、「展示会」と「Twitter」の相性は現状ではまだそんなに実用的でないとも感じました。展示会場に行くと色んな人と話したり、展示物を見たりと情報収集に忙しく、ツイートする暇がありません。立って移動するのが常なので、入力作業をしながら回るというのは中々しんどいものです。

しかし、だからこそ、是非ここは出展企業からのツイートを積極的にして欲しいと思うのです。「何時何分からセミナーやるよ!」とか、「さっきこんなニーズを持ってるお客さんが来て、話が弾みました!」とか、「暑かったらウチ来てくださいね!水配ってますんで(名刺と交換)」とか色々出来ると思うのです。そして、それをイベントの主催者側もフォローアップして欲しい。受け付けや会場の色んなところにサイネージを設置して、公式ハッシュタグを含んだツイートを表示させるとか。もちろん広告を表示させても良いでしょう。

私もイベントを企画する側になることがあるので、Twitterの使い方については今後本格的に考えないといけないなと思ってます。こちらが用意してなくても、上記のように勝手にハッシュタグ設定されてツイートされてるわけですから。来年には恐らくもっと活用されていることでしょう。

■展示会後のTwitterオフ会

上記のように現状ではまだTwitterで製造業の技術的なテーマ(たとえばCADやCAE)について会話をしている人たちは少ないです。専門的な話であり、社外秘のことが多く具体的な話が出来ないことも多々あります。ただ、だからといって社外の人との交流が少ないというのは、特にグローバル化が進む日本の製造業にとっては今後致命的な問題になるかもしれません。

一方、既に積極的にTwitterを活用して情報を受発信している人たちは、数が少ないからこそ自然と集まってきます。実は半年ほど前にも私を含めてCAD/CAEを語る会ということで4名で集まったことがあるのですが、今回DMS後にオフをしようと呼び掛けたところ、10名もの参加者が集まりました。30歳前後が中心でしたが、新入社員や50代の熟練の技術者の方まで幅広い集まりとなりました。

この分野では、企業の垣根を越えてエンジニアやセールスの方が一堂に集まって話す機会というのは少ないと思います。特に、地方のエンジニアなどは辛いでしょう。私(メディア側)としても、現場の方たちの生の声が聞けるというのはとても貴重な経験です。過去には、ベンダー主催のセミナーに行って、そこに出席しているエンジニアに突撃インタビューみたいなことをしたりもしました。そこで仲良くなった方とは今では色々と情報交換が出来る貴重な友人になりましたが、専門分野の生の声を集めるというのは非常に苦労するものです。しかし、Twitterやブログによって、BtoBの世界でも、時間も場所も越えてこうした貴重な情報を交換できる場が形成されやすくなってきたように思います。

コア情報の流出を促したいわけではありません。そこで新しい価値に気付いた人・企業が、何か新たなフェーズに辿りつけるのではないか、そんな淡い期待を抱いているのです。

製造業でこんな使われ方があるよ!という事例があれば、是非@dyamaokaまでご連絡ください。

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