山岡週報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 山岡週報

メディア広告営業マンのつぶやき。ITおよび製造業のマーケティングについての考察。ときどきアニメ。

2010年2月初旬に起こったUCCの「Twitterキャンペーン」騒動。
このキャンペーンがユーザーから問題視されてからのUCCの対応は迅速でした。

UCC、Twitterでのキャンペーン告知を謝罪 複数アカウントのBOTでメッセージ送信 - ITmedia News(2010年02月05日)

当日のTwitterのまとめはこちらを参照。
UCCのキャンペーンがSPAM認定された件・速報 - Togetter

また、この動きに対する広告業界の反応も早く、Twitter上では「提案していたTwitter企画がこの件の影響で却下されてしまった」という発言や、「この提案に関わった代理店は○○だ」という本当か嘘か分からない発言が飛び交いました。こういった状況も含めて本件を深刻視したUCCは、週明けすぐにネットメディア向けの説明会を行いました。

「Twitterを理解していなかった」――UCC、キャンペーン“炎上”を説明 勉強会で経験共有へ- ITmedia News(2010年02月09日)

※2/24追記
見事な“鎮火”はなぜ可能だったのか UCCの事例から考えるTwitterマーケティング
- ITmedia News(2010年02月22日)

これに合わせ、ブロガーからも各々の視点から考察がなされました。

■7つのブログでの反応

1.  UCCのTwitterマーケティング炎上事例に見る、マスマーケティングとソーシャルメディアマーケティングの境界線 - tokuriki.com
アジャイルメディア・ネットワークの徳力氏のエントリ。
「UCCの失敗とドロリッチの成功の比較」「マスとソーシャルでのマーケティングの違い」などが非常に分かりやすい。UCCの反応の速さも凄かったですが、これだけの考察エントリを即アップする徳力さんも凄い。

2. UCCのTwitter騒動に思うマーケティングの本質的変化 - TechWave
湯川氏のエントリ。個人的に刺さったのが「マーケティングの目的は、メッセージを伝えることから、消費者の声を聞くこと、消費者との関係を強化することに変わりつつあるのではないか」という指摘。ネット業界に居る自分でさえ「広告」を考える際についつい忘れがちな部分でもあります。
 なお、上記の湯川氏の記事内での「同様のキャンペーンは米国で評価された」という部分に対し、スケダチの高広氏からは「クーポンという相手にメリットのあるものを提供したのと今回のを一緒にしてはいけない。米国のはそこが「うまい!」と受け止められた」という意見も。

3. UCC に学ぶコト – 中のヒトのリテラシー向上の重要性  - life is so…
       UCC に学ぶコト – bot じゃなくて、人間だったら…? - life is so…

こちらはマイクロソフトでソーシャルメディアマーケティングを担当されているクマムラゴウスケ氏からの二連続エントリ。“事業主側のソーシャル メディアに対するリテラシーは、もはや「自分たちを守る」という意味でも必須になってきている” など、企業の担当者として貴重な言及があります。

4. UCCから学ぶこと - イケダノリユキのCommunitainment Blog
トライバルメディアハウスの池田氏のエントリ。UCCの失敗を受けて、上記のクマムラ氏と同じく「提案する側」も「提案される側(実施する側)」ももっと勉強しなければならないということで「"中の人" バージョンアップSMM勉強会」を企画されています。

5.ツイッターでの失敗:UCCはJCPennyの例も学んでなかった - Dr.本荘の Thought & Share

6.Twitter活用のソーシャルメディアマーケティングで、UCC上島珈琲が痛い目にあったようですが。(どこに、この出来事と謝罪文を掲載したことを載せているのか。) - 破壊的イノベーションでキャズム越え
ITmediaオルタナブロガーからは、本荘氏、方波見氏からそれぞれの観点での指摘がありました。

7.Twitter上でのキャンペーンはどうやればいいの? UCC上島珈琲とBMW MINIの小さくて大きな違い - [の] のまのしわざ
こちらの野間氏のブログでは、BMW MINIのTwitterマーケティングとの比較。「パーミッション」があるかどうかについての指摘です。より受け手の「マインドフロー」を意識した作りが求められるのでしょう。

上記以外にも、幾つものブログで今回のキャンペーンについてのエントリがありましたが、私の独断と偏見で7つ取り上げさせていただきました。1つのキャンペーン事例で、これだけの反応・考察がすぐに共有できるというのは凄まじいですね。

なお、今回の件ではないのですが、Twitterでの失敗例として私が思い出すのは、ハッシュタグ#au2009の件です。この件で参考となるのが、ITmediaオルタナブログではお馴染みの斎藤氏のこちらのエントリ。

・【速報】 昨日の「#au2009プチ炎上」に見る企業Twitterの課題と提言

■失敗からどう立ち上がるのか
さて、私がいま一番興味があるのは、「このあとのUCCの動き」です。

UCCは上述のネットメディア向け説明会で、「今後はTwitterを使ったソーシャルメディアマーケティングの勉強会を開き、その内容を広く公開することでTwitterのマーケティング利用を盛り上げていきたい」と語っています。これは、最近気になっていた「失敗学」というテーマのケーススタディとして非常にいい事例となりそうなのです。

失敗学とは -  WikiPediaより抜粋。

失敗学(しっぱいがく)とは、起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・個人的な)直接原因と(背景的・組織的な)根幹原因を究明する学問のこと。その上で、その失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。

さらにこうして得られた知識を社会に広め、他でも似たような失敗を起こさないように考える活動。すなわち、以下3点が失敗学の核となる。安全工学などとも関係するが、工学・経営学などを網羅的に含んだ概念(学問)である。

・原因究明 (CA:Cause Analysis)
・失敗防止 (FP:Failure Prevention)
・知識配布 (KD:Knowledge Distribution)

この「知識配布」というところまでUCCでは取り組んでいこうとしています。対応の速さだけでなく、長期的な視点での対応策を練ったところが素晴らしいですね。

失敗というのは、成功のチャンスでもあります。私が尊敬するキャドラボの栗崎氏が先日仰っていたのが「転ぶことが失敗ではない、起き上がらないことが失敗なのだ」という言葉。これは普段から私が感じていたことでもあります。また、「失敗を無駄に恐れて挑戦しないこと自体も失敗」と思っています。

今回のUCCの事例は、「失敗してもそこから立ち上がることができる」という良いケースでした。ここしばらく景気が低迷していましたが、企業内部では確実に「挑戦」の芽が育ってきているように思います。

D.yamaoka

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山岡 大介

アイティメディア社員。
主に「@IT MONOist」の広告営業&企画を担当。

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