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科学技術イノベーション総合戦略2015について

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政府は2015年6月18日、「総合科学技術・イノベーション会議(第10回)」を開催し、科学技術イノベーション総合戦略2015の策定および、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)などの取り組みについて、公表しました。翌日の、6月19日には来年度から始まる第5期科学技術基本計画と連動させ、科学技術イノベーション政策の両輪としてより効果的・効率的なものとするため「科学技術イノベーション総合戦略2015」を閣議決定しています。

本戦略の概要について、少しまとめてみたいと思います。

■ 科学技術イノベーション政策の⽅向性では、以下の3つをあげています。

□経済・社会における価値創造のプロセスが⼤きく変化する「大変革時代」が到来
・イノベーション創出モデルはICT等の急速な発展により変化、国際的な競争の激化の中で、オープンイノベーションの重要性が増加
・科学技術イノベーションによる解決が必要な課題は⼭積(例、エネルギー・食料・資源の制約、人工減少、地方経済の疲弊等)

□ 「第4次産業革命」ともいうべき「大変革時代」において、新たな未来を切り拓き、国内外の諸課題を解決し、我が国の持続的な発展の実現を⽬指す
・第5期基本計画の始動に向けた新たな取組の先取り、早急に対処すべき課題への対処 → 第5期科学技術基本計画の始動に向けた3つの政策分野
・総合戦略の下での重点的な課題に必要な改⾰を進め、取組を進化 → 科学技術イノベーションの創出に向けた2つの政策分野

□本総合戦略に基づき総合科学技術
・イノベーション会議が司令塔として機能を発揮 • 時間軸を意識しつつ、先見性や機動性をもって府省の枠を超えて政策誘導、第5期基本計画の下での効果的なPDCAサイクルを検討
・「超スマート社会」の形成に向けた技術開発や国家戦略上重要な技術開発を含めた基盤技術の研究開発の推進⽅策に関する検討
・他の司令塔機能との連携を強化、制度改⾰推進について司令塔機能を発揮、事務局機能を強化

第5期科学技術基本計画の始動に向けた3つの政策分野では、以下の3つを柱としています。

  • ⼤変⾰時代における未来の産業創造・社会変⾰に向けた挑戦
  • 「地⽅創⽣」に資する科学技術イノベーションの推進
  • 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技⼤会の機会を活⽤した科学技術イノベーションの推進

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出所:科学技術イノベーション総合戦略2015 2015.6

科学技術イノベーションの創出に向けた2つの政策分野は、「イノベーションの連鎖を⽣み出す環境の整備、経済」「社会的課題の解決に向けた重要な取組み」の2つをあげています。

スクリーンショット 2015-06-21 8.00.37.png

出所:科学技術イノベーション総合戦略2015 2015.6

IoT、ビッグデータ等を駆使した新産業の育成での取り組みもあげています。

i) ⾼度道路交通システム ⼈や⾞の情報がリアルタイムにマッピングされた地図を⽣成する⾃動⾛⾏技術によって、次世代都 市交通システム(ART)や地域コミュニティ移動⼿段を実現
ii) 新たなものづくりシステム 潜在的ユーザーニーズを先取りする仕組みや、匠の技術を形式知化して機器、ロボット等に実装 し、インダストリー4.0を超える⾼付加価値製品・サービスを迅速に提供するシステムの構築
iii) 統合型材料開発システム(マテリアルズインテグレーションシステム) ⾼信頼データを活⽤し要求性能に応える材料、製法を予測し、短期間で新材料を市場投⼊ iv) 地域包括ケアシステムの推進 地域での⾼齢者の⾃⽴⽀援・健康寿命の延伸のため、予防・医療・介護データの共有・解析、 職種を超えた連携⽀援システムを構築し、介護保険外市場も開拓v) おもてなしシステム 継続的に訪⽇客を増加させ地域経済の活性化に寄与する、多⾔語⾳声翻訳、センシング・ データの利活⽤による⼈の流れの円滑化、警備の効率化・⾼度化で安全・安⼼・快適を実現

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