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Software-Defined Network(4)SDN/OpenFlowが注目される背景

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サーバーの仮想化やクラウドの急速な進化などにより、統合管理や運用自動化が進む一方で、ネットワークは従来のハードウェア機器構成で、トラフィックの急速な増減に伴うネットワークの増設や変更、運用の自動化が大きな課題となっています。 

サーバーの仮想化によって、仮想マシンの増減によるサーバー間のトラフィックが増加することで、ネットワークへの負荷がかかり、システムのパフォーマンスは低下します。仮想マシンの複数の拠点間のライブマイグレーション頻繁に実行することになれば、マイグレーション先のQoSやVLAN設定を手動で対応することが必要となります。 

クラウドの普及によって、クラウドサービスを提供するデータセンター内では、ユーザ別にセキュリティや運用管理を進めるために、個別ネットワークの環境を構築する需要も高まっています。一方、クラウドによるトラフィックの急増やVLAN ID(4096)の個数の制約により、大規模で複雑な構成のネットワークへの対応も困難な状況となっています。 

以上のように、サーバーの仮想化やクラウドの普及により、システムやサービスなどの大規模化や複雑化し、既存のプロトコルやネットワーク構成では対処できないといったように、現状のネットワークでは多くの課題が生じています。 

ネットワークのオープン化への期待 

クラウドの普及によるオープン化が進む中で、特定のベンダーに依存しないオープンなネットワーク環境への要求も高まっています。 

従来のネットワーク環境を構築する場合、ユーザのネットワークの環境に応じてベンダーが独自のプロトコルを使うことで1社のベンダーの調達に依存するため、調達にも時間を要していました。また、レイヤーごとに個別最適な設計ポリシーが必要であるため、レイヤー間の設計調整が必要となっています。 

また、スイッチごとに手動設定が基本で、ベンダー独自コマンドで規格上決まっているプロトコルのため、複雑なネットワークコンフィグを設定する必要があり、ユーザが独自に設定変更や機能を追加することは困難な状況となっています。 

従来型のネットワークの場合、ネットワーク機器を提供する特定ベンダーに価格やプロトコルを依存することになり、ベンダロックインのリスクや、複雑な運用環境に応じた人員配置や複雑な設計ポリシーに対応できる高度なスキルの習得が必要となっています。 

その結果、多くの稼働とコストがかかり、特定のベンダーに依存せず、オープンで運用の自動化を実現するネットワークへの期待が高まっています。


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※担当キュレーター「わんとぴ」 

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