止まったのはMT? Dreamweaverは20年前に終わった?――IDCFクラウド、タイムズカーの事案から考える「見えているもの」への誤解
IDCFクラウド障害、顧客から見えたのは「Movable Type(MT)が止まった」
ここ最近、不正アクセスによる情報流出やランサムウェア攻撃のニュースが増えています。
わたしが仕事で取り扱っているCMS「Movable Type(MT)クラウド版」も「IDCFクラウド」のランサムウェア攻撃の影響があり、先週はクライアント各社への説明に追われる場面がありました。
こういうトラブルで難しいと感じるのは、今回は確かにMTで運用していたウェブサイトが停止することになりましたが、同じ攻撃を受けていれば他のCMSでも止まった訳で、MTだから生じた問題とは違う側面があるということです。
ただし今回の件で学びとなったのは、「MTクラウド版」を利用する大きな理由はマネージドサービスだからですが、セキュリティアップデートやバックアップを任せてしまっているため、これが止まってしまうと手も足も出ない状態になってしまうということです。
なお、MTクラウド版はシックス・アパートが全サーバーのデイリーバックアップを7世代分、Google Cloudに保管していたとのこと。
※「IDCFクラウド」障害で止まった「MTクラウド版」、「Googleクラウド」のバックアップで「さくらのクラウド」に移行へ
今回対象となった31台は、7日午前1時時点のバックアップデータを用いて「さくらのクラウド」環境への移行を行い、暫定対応として、10月8日 21時までに全31台の「さくらのクラウド」環境への移行を完了したとのことです。
※[第3報] Movable Type クラウド版におけるIDCFクラウド障害の影響と対応について
各種発表からマネージドサービスの復旧に要した時間を推測可能な訳ですが、
- 発生日時:2026年10月7日(水)午前3時40分頃
- 10月8日 21時までに全31台の「さくらのクラウド」環境への移行を完了
※当社サービスの一部システムに対する不正アクセスについて | ニュース | IDCフロンティア
ウェブサイトが企業活動において非常に重要な意味を持つ時代ですので、今回の事態を踏まえ、どのようなリスク回避策が有効なのかを急ぎ検討しているところです。
タイムズカー情報漏えいの解説動画、「Dreamweaverは20年前に終わった」は本当か
さて、前置きが長くなりましたが、ここ最近のセキュリティ関係の事件が気になり、この動画をYouTubeで視聴しました。
配信者はTechLIVE by ITmediaで「テクノロジー専門メディアのITmediaの動画専門チャンネルです。」とのこと。
このオルタナティブブログもITmediaなので関連しているといえなくもないですね。
この動画の5分15秒付近で、Dreamweaverを利用してコーディングしていることへの懸念点が指摘され、「20年くらい前にDreamweaverは終わった」と発言しているように聞こえました。
当該部分のYouTubeの書きおこしは以下のようになります。
5:03
とか、ま、ちょっと古めの、ま、これ現在なんですけど、数が動いてるなていうとこなんですけど、ま、ちょっとね、古いドリームウェイバーとかあるじゃないですか。
5:11
エディター。はい。
5:12
そうすね。相当古いシステムですよね、そういますと。
5:15
なるほど。
5:15
これ結構ドリームウエの使ってる時点でもう古いものだなってわかるんです。
5:20
大体20
5:21
年くらい前で大体終わりましたよねさん。はい。
5:24
はい。
そして、テロップは以下のように表示されています。
この指摘について、確かにDreamweaverはコーディングツールとしては古いツールだというのは事実だと思います。タイムズカーがどのバージョンのDreamweaverを利用してサイトを運用していたのかを把握していませんが、現在もAdobeが有償提供を続けているツールですので、「20年くらい前にDreamweaverは終わった」という指摘に強い違和感を覚える次第です。
Web制作ツールの歴史を振り返っておきたいと思います。
- 1999年1月:アドビがGoLive Systemsを買収し、「Adobe GoLive」として展開。
- 2005年12月:アドビが競合会社であるマクロメディア(Macromedia)を買収。
- 2008年4月:Web制作ツールの主力がDreamweaverへ一本化されたことに伴い、Adobe GoLiveの販売・開発が終了。
繰り返しますが、Dreamweaverは現在も有償で販売され続けており、終わっておりません。