今後のビジネスのキーワードは、「らしくない」？

黒坂さんがニコニコ動画の魅力で語っている「ユルさの強さ」の内容は、今後のビジネスのキーワードになると思います。

ビジネスっぽくない
「ニコ動にはビジネスっぽさを感じない。梅田望夫さん的なアナロジーで喩えるなら「スーツ臭」が薄いとでもいう感じだろうか。すなわち、とにかく自分たちとユーザが楽しいと思うことをサービスとして作り上げていくことを、ビジネスを作ることより優先させているように見える」

ちゃんとしようとしていない
「技術的にエレガントな（あるいは高度な）実装をしようという意識はあまり感じられない。どちらかといえば現状に対応することに専心しているように見える。それこそ「ギーク臭」も薄いというところである。」

囲い込もうとしていない
「ユーザを囲い込んでロイヤリティを上げるよりも、ある程度ユーザを突き放した方が、実はロングテールの獲得（＝全体のトラフィック獲得）につながるのかもしれない。」

以前のエントリーでも書いたのですが、サプライヤーからユーザへのパワーシフトが起こっているなか、サプライヤーでの価値観（ビジネスっぽく、ちゃんとして、囲い込む）の反対側にこそ、今後のビジネスのポイント（アマチュアっぽく、いい加減に、みんなで楽しむ）があるのかも知れません。違う表現で言えば、従来の価値観に対する「らしくない」という発想が欠かせないのだと思います。