時津風部屋事件で思うこと
時津風部屋で若い力士が急死した事件は、不可解な点に満ちています。
死ぬまで放置?死んだら隠蔽?時津風部屋の「奇怪な対応」(朝ズバッ!)
警察の捜査も進むなか、急死当時の記者会見との矛盾が明らかになっています。
親方「おまえらもやれ」兄弟子らけしかける時津風部屋の力士急死
まず、6月26日に発生したことが、今になって騒がれているのか?
風化しつつある朝青龍騒動の1ヶ月も前に起こったことが何故今騒がれるのか、
とても疑問です。ズル休みと人命に関わることでは、事の重大性が異なります。
確かに、医療事故などと同じように、内部告発か被害者家族の訴えがなければ、
発覚が難しいとは思いますが、被害者遺族の気弱さ、マスコミの追及不足(6月)
ということも否定できず、部屋の力士の内部告発がなかったのも残念なことです。
時津風部屋事件 憤る報道陣と困惑する父親
秋場所が終わったタイミングであることも含めて、いろいろと考えさせられます。
次に、相撲協会の北の湖理事長は何故、文部科学省に謝罪に行ったのか?
文部科学省が相撲協会を呼び出したのは、前例がなかったようで、協会の
態度は一変し、警察の立件前に厳しい処分を出す模様です。
時津風親方、週明け解雇へ!
しかし、死亡した若者は、力士である前に息子であり、その親に謝罪するのが
処分よりも前にすべきことのように思います。本音は、人命よりも相撲協会が
大事だ、ということなのではないでしょうか。国技を守る、という大義名分は
あっても、そんな相撲協会に国技を背負って欲しくない、というのが多数の
意見かも知れません。実際、国技はく奪という報道もあります。
相撲協会「国技はく奪」突きつけられた
最後に、相撲協会に限らず、どうして不祥事が相次ぐのか?
社会の病や人間の劣化を原因にする向きも多いのですが、私は、インターネットが
浸透して、今まで知り得なかったことをより多く知るようになったことと、
内部告発が容易になったことの影響が大きい、と思っています。
以前、広報の仕事をしていた時に、「XX銀行は、行員が行内で自殺しても、報道
されないで済ますことができる」という「自慢」話を聞かされました。終身雇用の
ムラ社会では、内部告発は村八分につながりますし、マスメディアも広告主の
スキャンダルをわざわざ暴く気概はありませんでした。
実際の不祥事は決して増えていない、という楽観論にとられるかも知れません。
しかし、正すべきことが知れわたり易くなったことで、見過ごすことなく、改善する
きっかけにしていけば、以前の閉じた社会よりも、良い社会になっていく期待を
こめて、不祥事の多発を受け止めています。他人のふり見て、我がふり直せ。
精神論リーダーの虚構