当り前の「顧客起点」を実践すると、なぜ大きく差別化できるのか?
企業の活動の起点は、顧客。
当り前のことなんですが、当り前のことを当り前にやることって、難しいんですよね。
ともすると、何かをやろうとすると、この顧客の視点を忘れて、自分の思い入れで始めてしまうことが多いのです。
例えば、私がボランタリーで色々な人にマーケティングの勉強会を行う時には、まず自分達が顧客の立場で、どうしても欲しいと思って購入した商品を思い出していただき、その要因分析を行います。
そして次に、それを裏返して、自分達のビジネスのことを考えてみます。
本当はコインの裏表なので、顧客から見た商品の価値は同じように捉えられる筈なんですが、これが大きく違ってくるのですよね。
自分達のビジネスについては、「顧客は必ず分ってくれる」と思いがちなのです。
なぜか、甘い評価になるんですよね。
勉強会に参加する多くの参加者が、「気がつかなかった。でも、考えてみると当り前のことですね」とおっしゃってくださいます。
マーケティング・コミュニケーションも、顧客を起点として構築した戦略に基づき、ターゲット顧客に対して、そのターゲット顧客に効果的にアプローチできるコミュニケ―ションチャネルを使い、ターゲット顧客の課題に直接訴えるコンテンツを届けていくことが必要です。
でも、この流れがぶつ切りになってしまい、本来の成果が挙げられないことが、世の中では非常に多いのです。
逆に言うと、これらが顧客起点で最後まで全てちゃんと見事に繋がっていると、マーケティングは大きな成果を挙げることができるのです。
なぜなら、他の人達は、うまく出来ていないことが多いからです。
ちゃんとやるだけで大きく差別化できるんですから、考えてみると、これは大きなチャンスでもありますよね。
だからこそ、マーケティングのことをしっかり考え、日々キッチリと当り前のように実践していくことが、とても大切なのだな、と思います。
最初は顧客起点で考えていても、世の中の多くの事例が語っているように、ちょっとしたきっかけで顧客のことを忘れてしまいます。
恐いことですね。
蛇足ですが、これはマーケティングに限ったことではなく、「目の前のお客様がいるから、自分達は日々顧客を起点にビジネスをやっている」と思いがちなセールスの場合も同様です。
「顧客第一主義の自社が価格の高いライバルに負ける理由」で書きましたように、顧客の言いなりになることが、「顧客が起点」という意味ではないのですよね。
気をつけたいですね。