最近のモバイル事情雑感
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今日はこのタイトルで、スマートフォンがいよいよ普及期を迎えた今、個人的に思うことを書いてみたいと思う。
通勤電車のなかで本当に「モバイル」のトレンドがよくわかる。今はスマートフォンがすごい勢いで増えている。
ついこの間まで折りたたみスタイルの3Gケータイばかりが目立ち、私のようなPDAからスマートフォンに移行した人間は少数派であった。そうそう、たかだか5〜6年前のことだ。親指ひとつでメールのテキストを超高速に入力できる若い女性たちを横目で見ながら、そんな新しい入力手段を会得するガッツがなくなった私のような中年(ベテランと言っておこう)のモバイルユーザは、NokiaやHTC製のキーボード付きのPDA/スマートフォンを海外から輸入してまで「無理矢理」使う手段の情報収集にも精出して、そんな苦労も「趣味として楽しい」「こっちのスタイルのほうが先進的で格好いい」なんて強がりいいながらやっていたものだ。一部のメーカーが、そんなおたっきーな「ベテラン」たちのためのPDAや、そのたぐいの端末を出してくれたこともあったが、結局商売にならないからと、どのメーカーも撤退し、さみしい思いをした時代もあった。
それが今、なんだろう。iPhoneのヒット以来、「モバイル」の状況が大きく変わった。iPhoneは、以前からのPDAの良いところ、たとえば自分で好きなアプリを入れてカスタマイズを楽しめるところなどを受け継ぎ、しかも弱点であるわかりにくさや設定の複雑さを極力排除した。マルチタッチのタッチパネルによる操作は誰でもすぐに使い始めることができるわかりやすい操作環境を提供し、老若男女から広く受け入れられようとしている。もう一部のおたっきーのモノではない。
思えば長い長い時間だった。おたっきーなPDAとの格闘の日々、何回も何回も繰り返し同じような退屈な設定作業を強いられたり、そんな日々を少しでも改善しようと、「同志」で集まって情報交換したり、本を出したり、、、。
まあ、そんな日々も楽しい思い出だ。そして、ユーザ同士の連係プレイはこれからも続けていきたいものだ。スマートフォン時代でも、同様の「格闘」は続くと思われるし。
以前から個人ブログで主張してきたことでもあるが、日本の3Gケータイは特殊な進化をしすぎて、海外の製品の良さを結果的にかたくなに拒否し続けてきた。いわゆる「ガラパゴス」である。しかし、iPhoneが切り開き、Android端末がそれに続き、日本のケータイ端末市場が一気に世界と同一になろうとしている。「ケータイ端末市場の開国」への流れともいえそうか。これも感無量。時代が大きく変わりつつある。
もちろん、日本のケータイの良さを捨てる必要はなく、ユーザが世界中の選択肢から良いものを選択できることが重要だと主張してきたつもり。そんな時代がいよいよきている。
ひとつの時代の変化点に遭遇し、次の時代はどうなっていくのか、わくわくしている。ただ、これまで通り、この分野のオピニオンのひとりとして末席にでも置いてもらい、メーカーやキャリア、サービスやコンテンツの提供者への要求や発言を続け、ユーザ同士での書籍の執筆やブログ等を利用した工夫や知恵の交換にも引き続き力を入れていきたい。そんな思いをもちながら、新しいブログをスタートしていきたいと思う。
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