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IoTをポストSIビジネスのシナリオに組み込むためにはどうすれば良いのか

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今朝の林雅之さんのブログ「IoT(Internet of Things)市場の成長性」でご紹介の通り、IoTは今後大きな市場の拡大が期待されている。

私は、これからのSIビジネスは、次の3つの理由から、この領域に大きなチャンスを見いだせるのではないかと考えている。

まず、ひとつは、市場拡大の加速度だ。林さんのプログにも次のような記述がある。

「2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は13.7%で成長」

これに対して、ITサービス市場全体の成長は、ほとんど期待できない。

「2014年以降も成長が期待されるものの、そのペースは極めて緩やか。2013年~2018年の年間平均成長率は1.3%にとどまる(2014年2月18日/IDC Japan株式会社)

成長市場にいち早く係わり、ノウハウを蓄積し、先駆者としての地の利を活かすことの意義は大きいと考えている。

ふたつ目は、インテグレーションの必要性だ。次のチャートをご覧頂きたい。

20140815_70334


この市場には、多くのビジネス・レイヤーが存在する。これらをうまく連携させサービスを作り上げる必要がある。それぞれのレイヤーでスペシャリティを発揮するという選択肢もあるが、これらをインテグレーションできるスペシャリティも求められるようになるだろう。当然、ここにも高度なノウハウが求められる。この点こそが、ビジネスの源泉となるだろう。

最後は、IoTの利用は、ITの専門家ではないエンドユーザー部門が主導してすすめられるだろう。当然、ITの専門性への期待は高いはずだ。そこに役割を果たすことができれば、ビジネスの可能性は大きい。

たぶん、このようなことを申し上げると、「いまやっていることと、全然違うじゃないか。チャンスどころか、ハードルの相当高いはなしではないか。」といぶかしく思われるSI事業者の方もいらっしゃるかもしれない。だからこそ、IoTを、これまでのやり方を大きく変えるチャンスと受け止めてはどうだろうか。市場の成長性、ユーザー企業の期待など、デマンドは十分にある。チャレンジしてみる意味はあると思う。

市場のデマンドを起点にしなければ、新規事業はうまくいかない。失敗している新規事業は、自分達ができることからスタートしているものが多いという事実を忘れてはいけない。ではどうすればいいのだろうか。

まず、変えるべきは、IT知識を事業資産として捉え直すことだろう。工数を事業資産と考える発想からの転換だ。これについては、先週のブログですこし突っ込んだ考えを述べさせて頂いたので、よろしければご覧いだきたい。

また、IT部門が唯一の顧客という考えからの脱却も必要だ。IoTは、ユーザー企業の事業と直接関わる領域だ。そこへの係わりを持たなければ、IoTビジネスを切り開くことは難しい。業務とITをつなげるための企画力、コンサルティング力を持つことが求められるだろう。

簡単ではないと思われる方もいらっしゃるだろうが、幸いにもまだこれからの市場だ。だからこそ、チャンスはある。成熟を通り越した従来型のSIビジネスにチャンスを見いだせないとすれば、あらたなチャンスを模索するしかないだろう。IoTは、そんな可能性の1つとして、真剣に向き合ってもいいのではないだろうか。

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目先の忙しさとは裏腹に、その背後で劇的なITトレンドの転換がすすんでいます。しかし、エンジニアや営業はそういうビジネスに関わるチャンスを与えられず、ひたすら従来型のビジネスに奔走し、疲弊しているようにも見えます。

夏が過ぎ去り秋を迎え、冬になるのならば未だ良いのですが、夏の後にすぐに冬が来ることにでもなったら、どうすれば良いのでしょうか。

今週のブログは、こんなテーマを取り上げてみました。

また、「ソリューション営業」の本質についても私なりの考えを紹介しています。

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  • 国内の需要は先行き不透明。
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