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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その32    水中にひそむバンパイヤ

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海外旅行・出張危険回避講座

(一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) 

その32       水中にひそむバンパイヤ

 サウジアラビアのナジド砂漠を、サウジ人の友人に案内してもらったことがある。行く先は、砂漠の中の地底湖だった。
砂漠の中を走る時には、ガイドをしてくれている友人が「あっちだ」と指さす方向に行くしかない。
広大な砂漠は堅い「土漠」と呼ばれて、どこでも車で走れる。砂丘の砂漠とはイメージが異なる。


 遠くに見えていた山脈の1カ所の麓に大きな洞窟があった。斜めに地底に降りていけた。100メートルも降りていないが、そこに地底池があった。水は予想以上に澄んでいた。
 アラビア半島は、西の端が1000メートル以上の高い台地になっていて、紅海の湿った雨雲が東に進めず、雨はその台地に降る。それが地中に潜り、東に1500キロほど流れる地底の川となる。ところどころに、オアシスができている。この地底湖もその一つだ。地底湖に案内してくれるというので、水泳パンツを持参していた。

 すでに先客のサウジ人の家族が来ていて、子供たちが池で泳いでいた。私の友人のサウジ人は、その家族のところに言って、何か話していたら、泳いでいた子供たちが、池から上がってきた。私はきれいな水を汚さないように注意したのかと思ったら、友人が、「違うんだ。この水には、ビルヘルチアがいるかもしれないんだよ」
「なんだ、そりゃ」と、後で調べたら、「ビルハルツ住血吸虫」のことだった。これが水中にいて、人間の皮膚から体内に侵入してくる。膀胱系に重大な障害を起こすと言われている。

 アフリカや中近東の河川、湖沼、沼沢地はビルハルツの危険地帯である。ナイルの川下りのクルーズ観光旅行の間で、ふざけてでも、ナイル川で泳ぐというのも、非常に危険だ。

  米国の東海岸のチェサピーク湾には、フィエステリア(Pfiesteria)という真核生物の寄生虫がいる。これが直接毒素を放出したり、感染した魚が毒素のエアロゾルを出すという。その海岸にいるだけでも、皮膚に炎症を起こしたり、目の痛みを起こすこともある。これが半年ほども続くひどい症状となるという。
 フィリピンなどでは、野外で豚の丸焼きをするが、あれは注意しないと、生焼けの肉を酒の勢いと、暗いから食べてしまう可能性もある。豚肉には、強烈なエキノコックスなどの寄生虫がいることが多い。 犬や猫のマンソン裂頭条虫にも注意しなければならない。海外で、やたらと猫や犬とキスをしてはいけない。肝臓をやられて肝硬変を起こす

 ベトナムでは、ビアホイというビアガーデンがハノイの市内に何カ所かある。そこではジャンボタニシを、巨大な鍋で炒めて提供している。私も何度か食べたことがあるが、ちょうど、大きな甘栗を焼いているのと同じで、山盛りにした鍋で炒めていると、その中には生煮えのものも出てくる可能性がある。そんなジャンボタニシには、広東住血吸虫が寄生している可能性があると聞いて、驚いた。人に入ると、脊髄や脳に寄生して、髄膜脳炎を起こすというから強烈だ。それを聞いて食べるのをやめた。
以来、18年も経っているが異常はない。多分大丈夫だったのだろう。アフリカでは食べている大きなカタツムリの、アフリカマイマイも同じように住血吸虫の塊だ。

 

余談だが、日本でも、犬やキタキツネなどの糞には、エキノコックスの幼虫が混在していることもある。北海道での感染が多い。日本の河川やネズミには、色々なダニのようなツツガムシが棲息している。北九州や長野の河川地帯には、ツツガムシの感染の可能性がある。日本だって、危ないことがある。

ポイント

(1)暑いからといって、知らない川に飛び込むまえに、必ず地元の人に、危険の有無を確かめること。誰もやっていないところで、うれしがって、水中で寄生虫に攻撃されるのは避けた方がよい。

(2)生の豚肉、川魚、タニシなどの貝類は、徹底的に加熱しないと危ない。刺身は自殺行為だと思うべし。私はすでに海外では、世界中どこででも、生ガキは食べないことにしている。

 

アイデアマラソン一口メモ

 米国でもっとも古くから実施されてきているトーランス式創造的思考テストと、アイデアマラソンを組み合わせて、アイデアマラソンの何ヶ月間の研修の効果を実証し始めている。すでにいくつかの企業、いくつかの大学でのアイデアマラソンの長期研修の効果を定量的に証明することできている。今後は、世界中に広めていく予定であるが、まず、日本の企業に創造性で強くなって欲しい。

 

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