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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

大災害に備えて  初期応動の空輸の必要性と「GPS制御のパラシュート投下システム」 (写真入り)

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大災害に備えて(For the Next Wide Natural Disaster) 初期応動の空輸の必要性と「GPS制御のパラシュート投下システム」(Proposal for Necessity of First Action by Airborne, such as "GPS controlled Parachute Cargo Dropping System")

 今回の大震災で信じられない思いをしたのは、4,5日間、被災者が食べ物、飲物、暖房、衣料品、医薬品、子供用、幼児用必需品などに欠乏し、寒さに震えながら、孤絶していたことだった。

 それに対して、私たちは何もできなかった。国はもっと早く対処することができた。それは空輸することだった。

 震災後、数日間は天気も良く、視界も十分だった時、どうして避難場所へ緊急物資を空からパラシュートで落とさなかったのだろうか。

 基本的援助が届かずに、被災者の重傷者や老齢者、病人被災者たちが、多数、被災後亡くなったことは、断腸の思いだ。

 今回の大震災は、自然が敵の戦争と同じだった。無数の敵に急に襲われて、破壊し尽くされた後、生き残った人たち、負傷した人たちへの支援は、秒を争ったのではないだろうか。
 まったくの準備不足、意識不足、この国の最高幹部たち自身が、危機管理対応のトレーニングで不足していた。お粗末だった。訓練不足だったのは、政府のトップたちで、釜石の全員無事の小学生以下だった。

 瓦礫のために、道路が破損しているために、陸上からのアプローチができなかったこと、ヘリ不足、乗員不足で、慌てている間に、被災者たちは、ますます悲惨な状態になり、被災地に絶望感が覆ってしまったこと、我が国が、こんな不用意で、素人集団で、準備不足の対応だとは信じられない思いがした。

 この国の指導者たちは、他国からの侵略や攻撃や戦争が起こっても、まったく同じ態度をとっていただろうなと予想される。

(1) 被災した現地が、こんな悲惨な状態だと把握していなかった。
(2) これほど広域の大災害に対しての、緊急対応で、現地に緊急援助物資を届ける計画や準備がまったく存在していなかった。つまり例によっての想定外だった。
(3)官邸に緊急に国のトップや閣僚全員が集まれば何とかなると考えていたのだろう
(4)そして初期応動ができなかった
 
 こんな災害時には、ただちに標準の緊急援助物資をパッケージにして送る必要があった。秒をあらそう援助物資が必要だった。その中には、前述の必需品に加えて、携帯式の衛星電話や通信機器、予備のバッテリー、ソーラー充電器、GPSなどを加えて、被災現場と確認を取り合っていけば良かった。
 
 国家の危機管理責任者なら、日ごろから、緊急時の援助パッケージを何百個も自衛隊の基地に用意しておくのが当然ではないか。こんな時には、自衛隊のC-1輸送機を使って、ただちに発進させ、多数の箇所に、荷物をパラシュート降下させるべきだった。

 いつもながらだが、平和ボケをしていたに違いない。

 全避難箇所に、行き届かなくっても、第二弾、第三弾と、空中から援助物資を降下させることができた。更に、米国には、GPSでパラシュートを操縦制御できる「誘導パラシュート投下システム」がある。さすがだと思う。

 例えば米国のエアボーン・システム社の「ドラゴンフライ」は、GPSを利用した「精密誘導パラシュート投下システム」であるが、孤立している被災者へ何らかの資材を送り届けることはできる。


ドラゴンフライ

 まったくこのような災害に準備不足で、初期の応動が遅れたことは、反省しなければならない。今から(考えたくもないが)次の災害に対応する準備をするべきだ。

2011-04-14  ドラゴンフライ012.thm.jpg





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