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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

乗客がゲートに遅れたら

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飛行機搭乗珍体験集
乗客がゲートに遅れたら

 バンコクから、全日空の深夜便で出発しかけた時、
「2名のお客様が、まだ搭乗されていないので、これらのお客様の預け入れ荷物を貨物室から取り出して、出発することになります」とアナウンスがあった。 

 バンコクの新空港はきわめて広いために、ちょっと買い物をしていて、指定されたゲートまで到着するのに、すごい時間が掛ることを知らないお客がいるのだろう。(あーあ、大変だ。満員の乗客の荷物を探すのに、これで数時間遅れてしまうではないか)と思ったら、「出発は5分ほど遅れる予定です」と追加の放送があった。
 預け入れ荷物は全部、コンテナーに入っている。乗客全員の預け入れ荷物は全部、どのコンテナーに入っているかの記録が取られているということだ。

 さらに、機内でコンテナーを開くことができるのだろうか。このような事態に簡単に対応できるようになっているとはすごい。

 待っていたら、未着の乗客の一人が飛行機に到着して、エコノミークラスに乗り込んできた。もう一人はビジネスクラスの乗客であったか、ついに姿を現さないで、荷物を取りだされたかで、全日空機はほんの少し遅れただけで、ゲートを離れた。

  30年ほど前、サウジアラビアのジェッダの空港でチェックインした後、ジェッダの事務所に戻って仕事をしていて、時間の過ぎたのを忘れ、飛行機が私の荷物だけ載せて、ターミナルを離れて、滑走路に向かってしまった。
  完全な私のミスだったが、事情を説明したら、係官が私をジープに載せて、滑走路に向かっている飛行機を追っかけて、停止させて、後ろの扉を開けて、載せてくれたことがある。
小さな飛行機だったから、後部の扉が地面に届き、階段になっていて、乗り込むくとができたが、今の777やエアバス機、ジャンボでは、専用タラップが必要となり、こんな芸当はとてもできない。

  それから数年後、飛行機の出発の規則が変わった。チェックインした乗客がゲートに姿を現さなければ、つまり搭乗しなければ、その乗客の預け入れ荷物を、飛行機の貨物室のコンテナーの中から取り出してしまわなければ、出発できなくなった。
テロリストが、狙った飛行機にチェックインして、爆弾の入った荷物を預けて、実際には飛行機に乗らないという卑劣な手口のためだ。

   1984年にローマからサウジアラビアのリヤドに向かう時のことだった。サウジ航空のジャンボ機は、ゲートを離れて滑走路へ向かう途中で急に、まったく違う広い場所で停止した。
「乗る予定だった乗客が3名、姿を現さなかったので、今から、全部の荷物を外に拡げますので、乗客の皆さまは、ご自分の荷物をご確認いただきますようにお願い申し上げます」
ローマは晴れていた。ジャンボのコンテナーが、空港の広い場所に、全部並べられ、満員の乗客が全員グループで降りて、自分の荷物を次々に探していく。このために2時間ほど掛って、ほぼ全員が自分の荷物を確認して、さあ、出かけられるかと思った時、ターミナルからジープが走ってきて、3名の遅れた乗客が乗り込んできた。

 バーで酒を飲んでいて遅れたという。サウジアラビアは禁酒国なので、サウジ航空も厳しく禁酒の飛行機だった。

教訓 飛行機の搭乗ゲートには早目に到着するのが良い。我が家の家訓では、飛行機は早く乗って、早く降りるのが良いとしている。

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