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人事・組織領域を専門とする、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティング担当です。人事・組織・マネジメント関連情報をお伝えします。人事やマネジメントの方々にとって、未来の組織を作り出す一助になれば大変うれしいです。

〔コンサルよ、〕混乱させるのはやめてくれ!

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。

どうやら台風が来るようですね。バーベキュー。。。


さて、本日のエントリはHR Fishbowlより。長文になってしまいました。



Stop mucking it up!

〔コンサルよ、〕混乱させるのはやめてくれ!

http://hrfishbowl.com/2011/05/stop-mucking-up/



私にとってはリフレクティブなエントリです。


競合となる会社のレポートをとりあげるのはやや気が進まない気もしつつ、今回の記事の本意はそこには無いのでよしとしましょう。


さて、先にアメリカDeloitteがHuman Capital Trends 2011というレポートを発表しています。


Human Capital Trends 2011 Revolution/Evolution

ヒューマンキャピタルトレンド2011 革命と進化

http://www.deloitte.com/view/en_US/us/Services/consulting/all-offerings/hot-topics/human-capital-trends-2011/index.htm


以前のエントリでHRevolutionというイベントを紹介しましたが、HREvolutionという言葉はDelloiteに商標登録されているようですね(HRevolution側の人も知らなかった節がありますw)

※まだ日本法人側での日本語訳は出ていないようです


このDelloiteのレポートでは人事のこれからのトレンド12選が37ページにわたって綴られており、今回の記事でそのサマリが書かれています。


が、それはご紹介しません。なぜなら本筋ではないから。興味のある方は原文をどうぞ。

(このブログの主旨に反する気も若干しておりますが)


実はこの記事を書いている方はDelloiteで13年間働いていた方だそうで、もちろん会社を愛していて、このレポートも読んで理解することが必要、と仰っています。

そしてこのレポートの示唆(HRにもCOOを、梯子から格子へ、など)にも深く同意するそうです。ですが、


I also understand why their likes have to put out "thought-leadership" like this. It's business, after all. But here's what I mostly think about your reports: NOISE!

もちろん彼ら(Delloiteなど)がなぜトレンドを先取りするリーダーとしてこういうものを出したがるかも理解できる。結局はビジネスなのだ。 でもどうしてもこのレポートについて気になることがある。ノイズだらけなのだ!


The problem is, your reports land in the hands of our C-Suite. Then the C-Suite says, "oooohhh, ahhhh" and they get all excited and they say to themselves, "we need to be doing this," and then they come to HR and ask, "why aren't we doing this," and then we say to ourselves, "fuck."

結局こういったレポートはC-Suite(CEOやCOO、CHOなどCがつく重役)のところに送られ、彼らは"ははー、ふむー"と唸って"これをやるべきだ"と思い、人事を読んで"なぜ我が社ではこれをやってないんだ"と尋ね、人事は"クソッ、くだらねぇ"とひとりごつ。


そうでしょうねぇ。目に浮かびます。私が事業会社の人事に居た頃はそういうことがままありましたし、当然の風景でした。

そして今は供給者側としてそれを狙ってネタを仕込む、と。。


We are doing this...it's the same stuff we've been doing for decades now. It's just packaged differently.

〔でも〕実際は日々こういうことをやっているのだ。何十年もかけて。今日までやってきたこととここに書かれていることは全く変わらない。ただ表現が変わっただけに過ぎない。


そしてこれらのトレンドに則って実際にこういったタイトルでプログラムをやっている会社を見せてほしい、と続きます。大事なのはプログラムではなく結果だと。

また大多数の会社は日々の業務に追われてこういったことには手を付けられない、と。


そして、ボトムアップで何かやりたいとしても、こうなるのは目に見えている、と続きます。


And who the hell talks this way anyway? Like I'm going to sit down with my business leaders and say, "ya know, we really should be talking about cloud computing and how it's going to impact our workforce." They'd kick my ass and say why don't you get out there and focus on my people.And that's just it!

誰がこんな風な語り口調で話せると思う? もし自分が幹部と同席していて、"思うに、我々はまさにクラウドコンピューティングを真剣に考えるべき時にきていて、それは社員力に大きなインパクトがあるのです"などと話したと仮定しよう。おそらくその幹部は激高し、いいから出ていって我が社の社員のことを真剣に考えてくれ、と言うだろう。その通りなのだ!


Once...just once...I'd love to see some reputable consulting shop come out with an HR Trend Report that reads like this:

  1. Talk to and listen to your employees; try to understand what motivates, interests, and excites them; then try to give it to them
  2. Clearly communicate your expectations, understand theirs for you, and do your best to sync them up; hold them accountable for theirs and let them hold you accountable for yours
  3. Be honest and open with your people...tell it like it is...put your money where your mouth is...stop the 'spin'
  4. Quit bothering your employees with paperwork, forms, rules, and process; let them do what you hired them to do


1度、、ただの1度でいい。。高名なコンサルティング会社で以下のような内容を書いた人事トレンドレポートを見てみたいのだ。

  1. 社員と話し、また耳を傾けよう。何が社員を動機付け、興味を喚起し、感情を高ぶらせるかを理解するようにしよう。そしてそれらを与えよう。
  2. 会社としての期待値を伝え、また社員から会社への期待値も理解し、それらを統合していこう。社員にアカウンタビリティを持たせるとともに、会社側のアカウンタビリティをチェックさせよう。
  3. 正直に、オープンになろう。ありのままを伝え、、口で言うだけでなく行動で証明し、都合の良い言い訳をやめよう。
  4. 社員を悩ませる書類仕事や形式的な様式、社内規定、業務プロセスを廃止しよう。その社員を雇った背景に立ち返り、その仕事をさせよう。


そしてこう締めます。


Do me a favor, stop mucking it all up for us. Unless you can start making recommendations around the fundamental - and pragmatic - things we should all be focused on, keep it to yourselves.

お願いだから、我々を混乱させるのはやめてくれ。もし人事が本当に注力すべき、基本的―かつ実践的―な事項について、あなた方(コンサル)が提案をし始めないのなら、その〔新たなトレンドといった〕考えは、自らの胸の内にしまっておいたままにして、外に出さないで欲しい。


しばしリフレクション(笑)。


私は(おぉ、このブログ初めての、自分としての明確な意見かもです)、人事コンサルのマーケティング的な役割は、そうはいっても先を見通して起こるべき課題やトレンドを伝えることと、今企業内で起こっていて経営者や社員それぞれがまだよく理解できていないことで、早期に対処すべき事態を、適切にかつなるべく早く伝達する、ということだと思っています。

そして、それが自社のリソースでは実現が難しかったり、客観的な意見が必要だったり、といったときに人事コンサルがお客様と協働でその部分をご支援する、と。


もちろんビジネスなので目を引くために"多少の脚色"をしたりすることはあるでしょうが、本当に今の日本企業とそこで働く社員の方を思って、またそこで日々奮闘されておられる人事の方を思って、何とかご支援できれば、と考えています。


そして私自身で言えば、こと公共の場でブログを書いているという立場上、ただの海外記事紹介とはいえどもミスリードなことはしないように注意をしています。


ただその一方、海外の人事系のトピックをご紹介する中で、人事の方が普段目に触れないようなテーマだったり、日本ではやや影の薄い人事関連のテクノロジーだったり、少しでも人事の方が元気や勇気や自信を持っていただけるような(たまに脅迫めくかもしれませんが)ネタだったりを通して、新たな発想や業務上のヒント、今日頑張ろうと思ってもらえるような何かをお伝えできれば、とちょっと野心的にも考えています。


でも、もっとシンプルに、ですね。その点は反省。ちょっと最近デジタル寄りになってますしね。


果たしてどれぐらい貢献できているかはわかりませんが。。

ちょっとでも役立った、面白かった、暇つぶしには値した、と思っていただければ。

引き続き上記4項目を胸に焼き付けつつ。


以上、この業界では非常に希少な(数が少ないというだけの意味です)"人事コンサルのマーケティング担当"としての自戒を込めたエントリでした。

ノイズと感じられた方は、軽くスルーしていただいて(笑)。


ではまだ昼前ですが、Have a fruitful weekend!




※東洋経済HRオンラインで連載が始まりました! 浮つかない、骨太な議論です。


息の詰まる職場――職場の閉塞感はどこからやって来るのか? 第1回目は「社会や企業を取り巻く"閉塞感"」

http://www.toyokeizai.net/business/bitem/detail/AC/c121a79fc55692ec75e84922bc87469a/#rensai_iki


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