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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

ブラウザ戦争の一場面...内側からの思い出

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加山さんの記事を読んで、もう歴史になってしまったのかと、感慨に浸りながら...

あれはWindows 95の出荷の後だから、1996年の5月だったと思う。世界中から集まったマイクロソフトのセールス&マーケティングマネージャーを対象に、本社チームが次年度の戦略を発表するのが目的のミーティングにて。

ブラッド・チェイス (Brad Chase)の番になった。Windows 95の世界"ほぼ"同時出荷を大成功のうちに完了させた彼は、その直後の組織変更で、新たに設けられたIEマーケティングを率いるVPになったのだった。

ステージに立つとすぐ、彼は聴衆に指示した。「一番前の列の人だけ立ってくれ。」当惑しながら一列目の人全員が立つのを待って、彼はこう言った。「今立った人は、この会場にいる全員の5%くらい。これが、今のIEのマーケットシェアなんだ。後は全部Netscapeが占めている。我々のミッションは他でもない。このマーケットシェアを逆転させることだ!」

彼のストレートな煽りを受けて、会場全体に熱狂的な拍手と歓声が沸き起こったのは言うまでもない。IEマーケティングの一員として、彼のプレゼンテーションを見ていた私も、手が痛くなるほど拍手していた一人だった。

エクセルにとってのロータス1-2-3、ワードにとっての一太郎、など、目の前に戦う相手がいる時のマイクロソフトの集中度、それはすごかった。サーチ部門でも、Yahoo!と組んで、あの集中度をまた見せてくれるのだろうか?

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