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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

風が吹けば桶屋が儲かる!? -第2弾-

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 欧州不安が薄れたことや米国のクリスマス商戦が好調と伝えられたことなどから米国株式市場は堅調、商品相場も堅調となりました。日本市場もそうした世界的な株高の流れを受けて買い先行となったのですが、目先的な過熱感が強い中での週末という事で手仕舞い売りも嵩み、上値の重い展開となりました。さすがに昨日の引け値を意識する水準では底堅さも見られるのですが、米国雇用統計の発表を控えた週末と言うこともあり、積極的な買い手は見られず、冴えない展開となりました。

 欧州の金融不安は今年は何度も取り沙汰されては消え、消えたと思うと取り沙汰されるという状況となりました。ギリシャやアイルランドへの資金注入は実際に行われましたが、こうした問題は根本的に解決するにはかなり時間がかかり、その国の体質までも変えていかなければならず、目先的に右往左往する問題でもないと思います。「サブプライム問題」が頭にあるものだから、どうしても株式市場のショック安などが頭に浮かんでしまうのでしょうが、本質的な部分で「サブプライム問題」とは全く筋の違う話だと思います。

 したがって、アイルランドの国債が売られたからといって慌てて好業績銘柄の株を売る必要もなく、ポルトガルの国債の格付け云々の話しが出たからといって慌てる必要はないのだと思います。もちろん目先的な投資のマインドを冷やしたり、リスク許容度の低下につながったりと言うこともあるのでしょうが、実際にリスクの度合いがどの程度増えるのかを考えた場合には例えば日本株のリスクがどの程度増えるのかといえば、ほとんど影響はないと見てもいのではないかと思います。

 「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話は株式市場では多いのですが、実際に風が吹いたからと言って桶屋がすぐに儲かるわけでもなく、実際にはねずみの嫁入りのように回りまわって結局はほとんど影響がなかったなどと言うことも多いのだと思います。何かイベントや事件が起きたときには連想ゲーム的な発想での売り買いと実際の収益への影響などとの違いをしっかりと把握して、株価の動きなどを考えて対処するべきだと思います。

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