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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

本当に外国人は買っているの?

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 米国株高、特にナスダック指数が大幅高となったことや為替が落ち着いていることなどから買い先行となりました。好調な決算発表を受けて米ハイテク銘柄が堅調となったことから、日本市場でもハイテク銘柄を中心に堅調となりました。ただ、原子力発電所事故での放射能拡散懸念が根強いことや期末の週末と言うこともあって、最後は買戻しで大幅高となったものの、手仕舞い売りも嵩み、持高調整の売り買いが中心のなかで伸び悩む場面もありました。

 外国人は依然として大幅買い越しと伝えられましたが、昨日と同様に持高調整の売りも多く、週末の手仕舞い売りもあって上値は重くなりました。「外国人が大幅買い越し」といっても実際に買い上がる動きは少ないのではないかと思います。また、同時に持高調整の売りも多く出ているようで、期末の週末と言うこともあり、上値の重い展開となりました。以前のようにリアルタイムで「手口」(売り買いをした証券会社名)がわかるということでもなく、朝方伝えられる「外国人売買動向」も本当に信用して良いものかどうか疑問です。

 実際に外国人が買っているのかどうかよりも「外国人買いが多いと言われている」ことが買い材料となるような面が強いのではないかと思います。今の時代、インターネットを通じてさまざまな情報が入り、目先のニュースに一喜一憂することが多いのですが、往々にして実際にニュースで流れた事象が起こっているのかどうか、ということよりも「ニュースが流れた」ということに反応してしまうことが多いのではないかと思います。

 もちろん、外国人が実際に買っているとなると1日、あるいは何日もかけて買い続けることも多く、買い材料にはなるのですが、そればかりに頼っていても、相場の本来の流れを見間違えてしまうこともあるのではないかと思います。また、今の時期のように期末ということで、空売りの買戻し、持高調整の買戻しで買っているだけということもあり、外国人買いが多いということで買う人が多いから、という理由で目先の需給好転期待で買うのは良いのでしょうが、「外国人買い」の正体を見極めておいた方が良いものと思います。

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