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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

円安と言って喜んでいいのですか?

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 米国市場は堅調、為替も更に円安となったことや外国人も買い越しと伝えられたことから買い先行となったのですが、寄り付きの買いが一巡となった後は上値も重く冴えない展開となりました。月末、期末ということで、お化粧買い期待もあり、最後は買いも入ったのですが、昨日までに売られ過ぎの修正は行われたとして、物色一巡感もあって堅調ながらも上値の重い展開となりました。

 期末の大震災と言うこともあり、株式市場では相場に織り込み難いのではないかと思います。昨日なども円安を好感する動きも見られたのですが、大震災で操業が止まった工場が多いなかで、円安に振れても業績にどこまで影響があるのか読み切れないと思います。また、今後の復興の過程では輸出と言うことよりも逆に海外からの輸入なども考えなければならなくなるのでしょうし、原発の問題もあって「日本売り」となっているのであれば、日本から資金の逃避が生じているということで、円安といって喜んではいられないでしょう。

 円安だから株高というのも日本の製造業が輸出でしかりと稼いでいるからであり、輸出で稼ぐ、という図式が崩れると円安だから株が買えるかどうか、大震災の被災の状況を見ながら判断した方が良いと思います。東日本の工場で作っていたものが西日本の工場で代替でき、輸出できるということであれば円安もメリットがあるのですが、海外で代替しているケースとか、代替が効かない、あるいは西日本で作っているのですが、輸出する前に国内の需要が多く輸出に回せない、などということもありそうです。

 また、原子力発電所事故での放射能漏れで外国人が続々と日本から、あるいは東日本から離れているなかで円安になり、「外国人が買っている」と言われても、にわかに信じられないような気がします。それよりも、外国人は買い戻しているだけで、まだ日本離れの機会を窺っていると見た方がわかりやすいのではないかと思います。円安となったときにも「日本売り」となっているのかいないのか、債券の動きなども参考にして見た方が良いのではないかと思います。

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