LADY GAGAに学ぶソーシャルメディアへのコンテンツ最適化
前回、コミュニティの形成には“継続的な場”と“強力なコンテンツ”が必要なのだと書きました。AKB48はまさにこの2つが揃っていますね。秋葉原に、毎日のように講演が開催される劇場という“継続的な場”を持ち、“会いにいけるアイドル”という今までにない“強力なコンテンツ”があります。
AKB48はリアルに劇場という“場”を持っていますが、オンライン上ではソーシャルメディアが“場”を提供してくれます。しかも“場”をもつコストはゼロです。これまでコストをかけてメディアへの露出を図ってきたアーティストも、コストゼロでオープンな“場”をもてるようになりました。だからこそ資金力や政治力ではなく、その“場”に人を集めるための“強力なコンテンツ”力の勝負になってきました。
ガガ様は思い出させてくれます。ソーシャルメディア自体に注目が集まることで忘れられがちな「コンテンツこそ命!」ということ。その上で、ガガ様が何故ソーシャルメディアの活用術に長けているのかいうと、ガガ様は、LADY GAGAというコンテンツの表現をメディアに最適化させているからだと思います。
今の時代、情報を伝えるためには“映像の活用によるビジュアルイメージの浸透”が凄く大事になっています。これはエンタテイメントに限らないでしょう。彼女自身は、もの凄い美女でもなければ、ボン•キュッ•ボンッのスタイルを持っている訳でもありません。そんな彼女がスターになり得たのは、ビジュアルイメージの徹底した作りこみと、音楽ユーザーが接するメディアに最適化した映像の活用があったからでしょう。
彼女は“LADY GAGA”というコンテンツが、どのようなメディアで、どのように消費されているのかという点に高い意識を持っているんですね。彼女のDVDを見ていて気になった言葉があります。
私はiPodを強く意識している/音楽は今や見るもの
このインタビューは数年前のものなので、今であればまた違うメディア、デバイスを彼女は挙げるでしょう。また、“音楽は音データとしてではなく、映像ファイルとして、ストリームとして消費されるもの”とも語っています。彼女は“LADY GAGA”というコンテンツが映像として消費され、且つストリームとして留まること無く流れていくという認識を強くもっているんです。流れていってしまう多くの情報の中で、インパクトを持ちうる“画”が必要だと感じていたからこそ、あの奇抜なビジュアルイメージを戦略的に作り上げたとも思えます。
一方で、印象的なビジュアルイメージを売る時には、そこに嘘がないということも凄く重要です。イメージをコントロールすることは、とても難しくなりました。マスメディアの時代には、決まったイメージを一方的に発信し、不都合なイメージは揉み消していくような『守り』の姿勢で良かったのですが、ソーシャルメディアの時代にはプライベートも含めて簡単にイメージの裏を突かれるような情報が共有されてしまいます。
この状況では“取り繕う”という行為が意味を失い、多くの場合それはマイナスに作用します。だからこそガガ様は徹底したセルフブランディングを行い、“取り繕う必要のないイメージ”を形成し、『攻め』の展開をしています。相当に高い意識を持ってないと一人の女性があのレベルのセルフブランディングは出来ないですから、ただただ感心です。
YouTube: Lady Gaga - Born This Way
彼女はTwitter上などで自らをMother Monster、ファンのことをLittle Monstersと呼びますが、主と従、スターと追っかけといった“グルーピー”的な扱いをされたくないからなんですね。彼女曰く「ファンは私と行動を共にしてくれるクリエイティブなパートナー」なのだそうです。ソーシャルメディアによりフラットになったファンとの関係性を、こういう所でも柔軟に反映させていることが凄いですね。
きっと彼女はソーシャルメディア時代でなくても、その時代のコンテンツが、どんなメディアでどのように消費されるのかを考えて、最適化させていたでしょう。そこにこそ彼女が“ガガ様”たり得ている所以があると思うのです。
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