オルタナティブ・ブログ > キャピタリストの視点 >

ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

農業で自立する

»

全国一律の成長モデルから抜け出すことが、自立には欠かせないと思います。

観光客はいらない、農業で自立する

8月5日の夕刊で、時宜を得た嬉しいニュースを読んだ。2007年度の食料自給率(カロリーベース)が、39パーセントから40パーセントに上がったというのである。それも、九州、北海道産の小麦の収穫量が増えたことが主な要因として挙げられていた。
40%を切って大騒ぎだった食糧自給率が1ポイント回復したことに関する評価は様々ですが、国民に対する心理的な影響は大きいような気がします。40年前は70%近くあった自給率が、2000年以降は40%前後に止まっています。
知床という大観光地を間近にしながら、「観光客の誘致は行いません」と北海道清里町の橋場博町長は静かに語り始めた。無節操な観光客誘致作戦に汲々としている向きの胸に、ぐさりと刺さる矢のような言葉ではないか。
ハコモノ行政の習慣に乗って、大がかりな観光施設が無残な姿を晒しているのに比べれば、農業という選択は堅実なものと言えるでしょう。
私は(町長)3期目になりますが、歴代は農業の自立を最優先してきたんです、あなたが写真を撮っていた四半世紀に、この町は農業の基盤整備に全力を傾けてきました、町内の農道を見てください、舗装されていない道を見つけるのが困難でしょう、観光に金をつぎ込む暇はなかったんです
右に倣えで観光事業にお金を使うのではなく、産業の基盤整備を選択したのは素晴らしいと思います。
神の子池もさくらの滝も、自然はそう簡単には変わりませんから、いつか、観光に力を入れるようなときが来ると想定しても、弱った町にお客はきませんよ、訪れてくれた人に元気になってもらう町でないといけません、そのためには今、未知の観光事業に手を出すことより、地場産業の農業で、しっかり自立しなくてはいけません
今もITやバイオなど先端(と言われている)産業に助成金などが使われていますが、本当に必要な産業は何かについて、各自治体が独自に判断する風土が出来ていけば、と思います。
Comment(0)