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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

マックからマックへ転身した社長

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マックからマックへの転身が話題になって原田社長の最新作です。

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ハンバーガーの教訓

未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端に腐敗が始まる(5ページ)

マクドナルドの創業者であるレイ・クロックの座右の銘だそうです。ビジネスは常に未完成ということを伝えてくれます。

企業理念というものは、はっきりとしたかたちで「現場」に反映されていなければ意味がないのだから、経営者が現場を見ようとしないビジネスなどは考えられない。(16ページ)
経営者が現場感覚を失わないことは何よりも大事なことです。現場介入の行き過ぎに対して心配する人もいますが、現場感覚の喪失は、それ以上に深刻なことだと思います。
私はよく「MBAの称号を取得している人間よりも、屋台のラーメン屋さんから学べることのほうが多い」とも表現しているが、口先の比喩などではなく実際にそう思っている。(19ページ)
何かのチャレンジをして失敗するのは敗北者ではなく、「何もしないままで負けるのが敗北者なのだ」(50ページ)
失敗というのは、結果に対する評価ではなく、プロセスに対する評価だということは、誤解しないようにしたいものです。
人間は、当たり前のことがいちばんできず、当たり前のことをいちばんやりたがらない性質を持っている。(54ページ)
基本の徹底は、ビジネスで極めて重要なことですし、必勝の法則だと思います。
不可能を可能にする。非常識を常識にする---。そんな発想の中にこそ大きなビジネスチャンスはあるものだ。(80ページ)
成功したビジネスも、当初は不可能だとか非常識だと言われていました。本当の意味での創造性は、常識の否定から始まると思います。
数字だけで人や企業を動かそうとすれば、人も企業も思考停止状態になってしまう。議論においてはサイエンスとサイコロジーの双方が重要であるが、人を動かすのはサイコロジーであるのは間違いない。(85ページ)
人間の行動は、人間心理に由来します。サイエンスや数字は明解ですが、人間はロボットではありません。思考停止した人間ほど不幸なものはありません。
ビジネスとは「いかにお客様に喜んでいただくか」を考え、お客様の期待を超えていこう」という信念を持って、それを実行していくことである。(87ページ)
ビジネスとは顧客の創造であり、実行しなければ意味がありません。
アメリカでは、小さいうちから差別化教育をなされ、いわゆる個人主義が植えつけられていくが、良くいえばそこで「個性の重要さ」を学ぶことにつながっている。それに対して日本では画一的な教育が行われている部分が強いのは否定できない。絵を一枚描くのにしても、空は水色で、曇っていれば灰色にするべきだというように指導されがちなものであり、空を緑で塗ったりすれば、何か問題があるのではないかと疑われるほどにもなっている。(121ページ)
ビジネスの見地からしても、教育の問題は看過できない問題です。多様性を認める意味でも、個性をそのまま認めていくことが重要だと思います。
変な人間がいてもいいというよりは、変な人間がいない会社はダメだといってもいいかもしれない。変な人間というものも、ある意味ではそういう職種であるのだと受け止めて、組織人としての常識を求めるよりも、いかにその才能を発揮させていくかを考えていくのもいいはずだ。(201ページ)
官僚制に代表される組織の論理は、個人の才能を殺してしまいます。いかに才気活発な社員を生かしていくかは、今後の経営にとって極めて重要なテーマになると思います。
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