プロダクトアウトからコンセプトアウトへ
先日、プロモダクションの浜野さん、菅村さんの話を聞く機会がありました。プロモダクションとは、プロダクション(商品開発)とプロモーション(販売促進)は表裏一体であるべきという考えに基づき、PRの視点に基づいた商品開発を支援する活動、とのことでした。
作れば売れた時代から、ニーズを満たさなければ売れない時代になり、プロダクトアウト(シーズ)からマーケットイン(ニーズ)への転換が叫ばれていますが、実際のものづくりの現場では、正体不明の「世の中のニーズ」の違和感との格闘があるようです。浜野さんも携わった「空想生活」というサイトでは、生活者の欲しいを提案してもらい、商品化まで行うサービスを提供しています。実際にも、コンパクトIHヒーターや体にフィッとするソファー(MUJI)など商品化されヒットしているものがあります。ある意味で、プロシューマを育て、マーケットインを徹底した取り組みと言えるでしょう。ただ、買い手の意見だけでは、あっと驚くようなものは発生せず、イノベーションにもつながりません。
他方、菅村さんがいた「通販生活」は、プロダクトアウトを徹底していると言えるでしょう。作ったものを伝えたい一心で、雑誌というメディアをフル活用しています。メディカル枕は体験談を載せるだけで、毎号1億円以上の売上をたたき出しているそうです。単に機能性というよりは、伝わるということの重要性が再認識されました。
今後は、この傾向はさらに高まり、プロダクトアウトからコンセプトアウトの時代になる、というのがプロモダクションさんの主張です。「モノづくり」から「コトづくり」への発想転換が必要であり、PR型の商品開発を進めていくことで、消費者の買物欲を満たすことが出来るようになります。商品のコンセプトをストーリー仕立てにして、物欲とは別の買物欲を刺激することが可能になります。
物欲を満たす消費の時代は終わり、買物の楽しさを味わうということに関心が高くなる時代は、CGMや口コミへの注目が高くなる時代だとも言えるのでしょう。