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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

プロの食人

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9月末、新しい金融商品取引法が施行され、ベンチャーファンドを含むファンドに対する規制が強化されました。平成電々やライブドアの事件を教訓に、投資家保護の観点からファンド規制が定められています。また、投資家を「特定投資家(プロの投資家)」と「一般投資家(アマの投資家)」に区分し、プロの投資家を対象とするファンドに関しては、規制が緩和されています。おおまかに言えば、プロは自己リスクでもいい、という感じでしょうか。規制に係るコストも無視できないので、規制が緩和されるとファンド運用は、採算面で少し楽になります。

そういう業界の動向を眺めながら、賞味期限の問題について、ふと思いました。渡辺さんのブログにも書かれていますが、(賞味期限を過ぎた)赤福を食べて病気になった人は、殆どいないようです。賞味期限は、絶対安全ゾーンを示している訳で、賞味期限を過ぎた食品を自分のリスクで食べることは自由だと思います。「もったいない」思想からすれば、賞味期限厳守は、製造者の義務ではあっても、生活者には選択の自由が残ると思います。渡辺さんのように「リスクを取って、悪くなっている可能性のある物を食べて、自分の免疫を鍛える」までの考えは持てない人が多いと思いますが、案外、健康増進につながるのかも知れません。

今年は、不二家に始まり、ミートホープ、白い恋人、赤福、比内鶏等々と、食品に関する事件が頻発し、食べられなくなったものが増えました。行政は規制や監督を強めざるを得ないでしょうが、自己リスクで美味しいものを食べたいという本源的な欲求とのバランスを取る意味で、「プロの食人」に対する規制緩和を認めてはいかがでしょうか?実際には、プロの認定基準が難しいとは思いますが、規制優先で食べたいものが食べられなくなるのは、あまりいい社会とは言えない気がします。規制の必要性は認めつつ、例外をいかに認めていくかが、今後の行政の重要なポイントだと思います。ヒドイ時には30%とも言われる、コンビニ弁当の廃棄率は、もったいない視点からも気になるところです。

以前は、フグの肝は大分県だったら食べられる、という話がありました。毒を除去する独自の方法があったからのようですが、本当に食べたい人は臼杵とかに行っていました。投資と異なり、食は人間に欠かせないものです。豊かな社会になったのだから、食べたいものを食べたいと思いますし、安全に生き長らえることを凌ぐ魅力に満ちているとも思います。

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