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鉄板病とKY

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おちまさとさん命名の「鉄板病」については、いろいろと考えさせられます。鉄板病とは、常に正解ゾーンにいたい、いつでも多数派にいたい、絶対に間違いたくない、ということを過度に欲する病気で、一億総確実主義時代の日本を象徴しているものだそうです。この鉄板病とKYを関連づけた、いびつな協調性-「KY」を恐れる心は、大変面白かったです。

「KY」(空気が読めない)を極度に恐れており、友人から「お前はKYだな」と言われないことに命を懸けているらしい
確かに、KYという言葉は、マイナス評価に使うもののようで、能天気という言葉とは少し雰囲気が異なります。
「鉄板病」とは、常に「正解ゾーン」にいることにこだわる病気です。言い換えると、「ハズしたくない」「間違いたくない」という思いに囚われていること。この結果、「過度に多数側にいる」ことを志向します。そして「予定調和」を好み、場の雰囲気を壊すことをできるだけ避けようとする。また、世の中の常識や通説、多数派の意見を鵜呑みにするため、「思考停止」に陥りがち。
豊かな世の中になって、落ちこぼれたくないという防衛本能から来るものでしょうか。そのせいで、思考停止に陥っている人をよく見ます。マニュアル世代という捉え方もありますが、マニュアルを信奉する背景が少し解明できた感じがします。

鉄板病(おちまさと著、NHK出版)

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