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冷蔵庫なんて要らない

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食品保存 冷蔵庫なんて要らない 食文化研究家・魚柄仁之助さんの生活術は、とても興味深く読みました。普段当たり前に思っていることも、実は必ずしもそうではないことがある、と思いました。

「『冷蔵庫にあるのは鮮度が落ちていてまずいよね』と言ったのです。確かに新鮮な野菜は、冷蔵庫に入れた瞬間から鮮度が落ちていくわけです」
確かに、鮮度を保つと言いつつ、実際には鮮度が落ちるのを遅らせている訳で、冷蔵庫がなければ、鮮度のいい美味しいものだけ食べて暮らせるのかも知れません。

「昔はおひつに入ったご飯を保存するために梅干しを入れていた。冷蔵庫がなくても長持ちさせる知恵を持っていたのです。ところが冷蔵庫が普及したために、どうしたら長持ちするか考えなくなってしまった」
必要は発明の母の逆で、便利さが生活の知恵を消失させているとも言えます。天日干しの知恵は、本当に奥深いものがあります。

「みんなが冷蔵庫を必要としなくなれば原発もいらなくなる。原発反対を唱えて家では電気を使い放題というのは矛盾しているのでは…」
本当にそうですね。便利さで知恵を失い、節約可能なエネルギーを浪費し、環境を破壊していくのは愚かなことだと思います。便利さや効率性は、デメリットも意識しながら追求していければ、と思いました。

冷蔵庫で食品を腐らす日本人(魚柄仁之助著、朝日新書、2007年8月刊)

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