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企業ITもクラウド的な世界に向かい始めた今日この頃を徒然に‥

運用スキルの行方

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クラウドにすればユーザー企業はシステムの運用から開放される。ではその運用スキルは昔はどんな様子だったか振り返ってみたくなりました。

メインフレーム時代、システムの運用はユーザー企業のIT部門が、ITベンダーの力を借りつつやっていたかと思います。そのころの運用スキルは、監視、操作はもちろんのこと、場合によってはパフォーマンスの最適化など、OSやミドルウェアの動きを理解した、システム・プログラミングと呼ばれるレベルだったでしょう。

オープンというか、クライアント・サーバー時代には、エンドユーザーに近いところか、IT部門が支援したりか、またはITベンダーかその関連のIT企業が支援しつつ行われてきました。このころはアプリケーションとインフラが一対一の関係だったり、パッケージなども使われているせいか、監視と基本的な操作などがその主たる役割となっていったように思えます。同時に開発者が書いた運用スクリプトなどがきちんと動くかどうか、システムの中身に関してはブラックボックス化していったようにも思えます。

その後、それらのコストが分散化で肥大化していったためか、運用アウトソーシングで、それらの運用オペレーションは、IT企業のエンジニアをはりつけていく流れがおきていると思います。

さて、クラウド時代がはじまり、まだ企業システムでは実績はそうありませんが、ユーザー企業は基本的にはシステムの運用に携わらず、クラウドベンダーがそれらを一手に引き受けることになるかもしれません。

噂では、Googleは運用に博士課程を出たようなエンジニアを配置し、将来のインフラの開発のアイデアもそこから生み出しているとか。またSalesforceも、システムの研究開発は、まさに実際のシステムの運用の中で新しいものを試して、観察して、そこから更なる開発につなげていっているとのことです。

運用スキルはその深さ、配置される場所、与える影響力や対象を、それぞれの時代の技術にあわせて変化していっているように思えます。

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