企業ITもクラウド的な世界に向かい始めた今日この頃を徒然に‥

情報共有はコンテンツ中心からコネクション中心へ

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クラウドでのコラボレーションや呟きについて、前回は呟きのコミニケーションやコラボレーションという観点で、大部屋感覚をご紹介しました。しかしながらこの感覚は、ある意味表面的で、その感覚の先にある、どんな情報が共有されるかを表現できていなかったと思います。

振り返れば90年代。グループウェアでは情報共有を促進するために、どのように情報を格納するかが、一生懸命取り組まれていました。どのように情報を分類するか、どのように格納するか、情報を探しやすいビューといったような一覧はどのようにすべきかなどです。最後の手段が全文での検索をどううまくできるかです。しかしながら皆さんも苦労しているように、あのGoogleでさえ、自分の思った情報はその価値とともに、行きつくのは一苦労、または不可能です。

考えてみれば一人ひとりが、それぞれ異なった情報のニーズを持っていながら、全員に対して同じコンテンツの並べ方ではニーズを満たすことはできないでしょう。一方、全文検索に関しては、どんな検索キーワードが、自分の探している情報の文章、コンテキスト(文脈)で出てくるか、といったことを事前に知っていればうまく探せるでしょう。ただ、情報について知識が乏しい場合には、どんな検索キーワードが適切かで行き詰ってしまい、なかなかたどりつくことができないのはよくあることです。知らない情報をある程度を知っていなければ情報に行きつけない。ある意味、矛盾ともいえます。

さてここ数カ月、社内で呟きツールを使っていて気づいたことがあります。自分の興味ある分野の専門家、自分と似た仕事をしているか、または係わりある人、そして自分が知りたいことのドキュメント自身やアプリケーションのデータ、こういったものを呟きが通知されるようにフォローしています(SalesforceのChatterでは人以外の文書やデータがフォローできます)。すると、自分が知っていたことの情報のアップデートや自分が関係しそうな情報が、自動的にエージェントによって呟きとしてタイムラインで通知されます。さらに、予想はまったくしていなかったものの、さすがその分野の専門家らしい情報が呟きやファイルで通知されてきて、予想していなかった価値ある情報を知ることで大いに刺激されました。

さらに自分が信頼している人がフォローしている人をさらにフォローすると、思いもよらぬ、自分の興味やニーズに近い、ときに遠いけど刺激的な情報まで入ってくるようになりました。おそらくこういった情報は、その人に徒弟にでもなって、つきっきりでいると自然と入ってくるような情報でしょう。

感覚的には、グループウェア時代は、自分でいろいろな情報を探しにいきました。コンテンツが中心の世界で、人はある程度の情報の知識を常にある程度要求され、それを使って検索してさらに必要な情報に行きつく。そうでないと目的の情報にはたどり着けないという、ある意味で優秀な人むけのシステムだったかもしれません。2000年ごろに盛んに言われていた、ナレッジマネージメントの限界ともいえる、コンテンツだけでなく、そのコンテンツを知る人を知るべし、というKnow- Whoの議論につながります。

専門家をフォローする、ドキュメントやアプリのデータをフォローする、これはある意味、Know- Whoのかわりになるように、事前にそれらにコネクションをフォローという形で準備しているようなものです。コネクションを自分の知りたい情報の観点で張ることで、パーソナライズされた情報の流れが自分にむかって流れ込んできます。Twitterのタイムラインの考え方です。

また一人ひとりは自分の自己紹介、興味、行動などを積極的にオープンにすることで、さらにいろいろな人からフォローされるようになります。SNS的なFacebookの世界で、ソーシャルグラフという、人と人や物とのつながりの価値が理解されてきたことに通じます。最後に、どうしても欲しい情報が手に入らなければ、これらのコネクションと個人の情報から適切な質問相手をさがすことになります。

90年代の情報共有がコンテンツ中心に考えられ、それなりの成果は得たものの、ある意味、混沌とした情報洪水に埋没してしまった事実。いったん検索がそれを救ってくれるように思えたのですが、あくまで一部の知っている情報にとどまっています。一人ひとりがまだ見ぬ価値ある情報に行きつくためには、Know-Whoとして提起されたことを、ソーシャルなクラウドのサービスが提供するコネクション中心の世界で解いていく。人脈や徒弟といった昔有効とされたアナログ的なものの模倣が、ITによってスケール大きく実現し始めているように思えます。まさに情報共有は明らかに新しいステージに入ってきたのではないでしょうか。

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