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企業ITもクラウド的な世界に向かい始めた今日この頃を徒然に‥

指数関数的に変化する市場に疑問をもちますか?

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前回、指数関数的に変化する市場が、企業に対してビジネスとしての変化を、質と量ともに常に迫り、それに対応するためのIT基盤がパブリック・クラウドの価値であり、必要性ではないかというお話をしました。日常、そういった趣旨のことをいろんな方とお話しますが、実は、多くの方が、”変化”に関しては認めつつ、それが本当に指数関数的、つまりスピードがどんどん早まっている、ということが腑に落ちていないのではと最近感じています。「今までのやり方で変化に対応してきたのだから、とりわけパブリック・クラウドが必要な世界でもないだろう」、といった感覚です。

IT技術の変化に関しては、最近のモバイルの分野での現象のように、ガラケーからスマートフォンへ、そしてにわかにPCからタブレットへと加速度的なスピードで技術の変化が起きています。この加速度的な変化は多くの人が体感しつつ、もちろんそれをビジネスに活用することは多くの人が考えつつも、今までやってきたやり方で変化に対応しようとしているようにも思えます。

「変化が加速していることと、やり方を変えなければいけないということ」。これについては一般論なので、なかなか多くの人に納得いく説明をするのは難しいと思いますが、私は最近、このForbesの記事を紹介するようにしています。"Big Business ... The End is Near: Why 70% of the Fortune 1000 Will Be Replaced in a Few Years"(ビッグビジネス、終わりは近い:なぜFortune 1000の70%が数年で入れ替わるか)

Fortune 1000はご存じにようにFortune誌の米市場での企業の収入ランキングです。そのランキングの変化が、「1973-1983には35%が新企業に入れ替わり、1983-1993には45%、1993-2003には60%まで増え、2003-2013には70%にまでなるだろう」という、まさに市場という単位で見たとき、その変化が年々加速していることを示しています。

特にインターネットに影響をうけた企業の例として、「(ビデオレンタルの)Blockbusterの破産は象徴的で、オンラインレンタルに対応することがうまくできず手遅れになった」。米ビデオレンタルの王様だったBlockbusterが、新しい環境の変化であるオンラインレンタルの対応に遅れ、手遅れになったこと、頭のいい人たちなのに起業家的に変化に対して動けなかったことを指摘しています。そして、「これからは、企業の大小を問わず…市場に投入するのに、計画するというやり方から、実験するという(起業家的な)考え方になっていくだろう」、といったように、やり方を変えなければいけないと主張しています。

「リスクを冒さないようにきっちり企画し丁寧に進める」から、「起業家的に仮説のもとで実験的に進める」。インターネット時代のビジネスの実現の道具であるIT的にも、やはりその視点での技術の選択と、やり方を変えなければいけないという気持ちに引き起こします。

こういった理屈っぽい話より感覚で受け止めたい、という方には、こんなビデオがお薦めです。”デジタルでの進化論”というタイトル、そして上のBlockbusterのロゴから始まり、特にソーシャルメディア的な視点を加えて、全ての企業がデジタル経済の中で変革を迫られているというものです。"The End of Business As Usual"(今までのビジネスの終わり - 日本語訳はまだ出ていないようです)という本のプロモーションビデオで、英語ですが映画の予告編のようでゆっくりした語り口で迫るものがあります。#ADAPTORDIE(適応するか死か)が最後のメッセージです。

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