クラウドとは日常の変化を受け入れること
忙しさにかまけて、すっかりご無沙汰してしまいました。1ヶ月もたつといろいろ変化する世の中だと思うこのごろですが、クラウドの世界でも、例えばGoogleやAmazonのUIが変わったり、機能が追加されたりします。ユーザーには事前に知らされず、でも変わることを許されているのがこういったクラウドだと思います。
考えてみれば今までの企業アプリケーションではこんな変化は、事前に知らされ、事前に教育されたりして起こるものです。クラウド業者、特にSaaS業者としては、各ユーザーにリリースアップごとに通知、教育していては、その本来のメリットである圧倒的な経済性が損なわれるでしょう。このあたりに同じリリースをすべてのユーザーに使わせ、頻繁にリリースをあげていくマルチテナントの理由があると思います。
やっぱりこういったマルチテナントで、同じリリースを全てのユーザーに使わせるクラウドは、Googleのようなシンプルなコンシューマー向けしかない。と言えるかもしれません。ただGoogleでも企業ユーザーが使えるGmailも採用が広がりつつありますし、Amazonのようなアプリケーションでは、企業内のアプリケーションに比べても十分複雑な機能を提供していると言えると思います。
コンシューマーは受け入れられる日常の変化が、企業ユーザーでは受け入れられないか。と考えると、むしろITのリテラシーはコンシューマーの方が低いわけで、企業ユーザーにも十分、変化していくアプリケーションなどに対する適応能力があると思います。
ふと日常を考えると、私たちはレンタカーなどを利用する際に、自分の車と違う車種にも、基本機能は違わないからと、ちょっとしたスイッチ類の違いを確認するだけで対応しています。私自身は、ハイブリッドカー、海外でのレンタカーなどではやや戸惑いますが、レンタカーを借りた際に少し丁寧に確認し、また自分の車についていないナビなどは、おもしろがって新しい機能を使ったりしています。
会社では少しでも手続きが変わったりすると、正直、関連部門に一言文句をつけたくなる自分がいます。一方でGoogle/Amazonで変化を受け入れている自分。クラウドとは、ユーザーに日常の変化を受け入れることを求め、その見返りに圧倒的な経済性を提供するものと思えてきました。