クラウド型セキュリティが増えている
セキュリティ分野でもクラウド的なサービス提供型の取り組みを最近よく目にするようになりました。CiscoのCisco Security Cloud Services、Trend MicroのTrend Micro Smart Protection Network、McAfeeのMcAfee Artemis Technologyなどは、各ベンダーのクラウド型の戦略的な取り組みのようです。これらは、今までのセキュリティー機能を、パターンなどをクライアントでなくリアルタイムにインターネット上に見にいくようなものから、スパム対策など一部の機能を完全にサービスとして外部で実行するものまで様々あります。
他にも運用まわりでは、メール監視、メールアーカイブ、IT資産管理、IDの統合管理、性能監視などが、SaaS型やクラウド型としてここ1年くらい、いろいろなベンダーから発表、提供され始めています。これらに共通しているのは、セキュリティーなど最新の技術を適用することに意味が大きいもの、高価で高度な機能を、企業の大小や、地域によらず均一に利用できることなどがメリットとしてあげられることでしょう。
ノークリサーチのユーザー調査で、SaaSを使いたい分野として、サーバー運用管理サービス、アンチスパムのサービスが、通常の業務アプリケーションについで大きな期待が現れていました。これらの期待が業界の動きを加速させているようです。またこの調査では、これらの運用管理系のSaaSを"GUIなしクラウド"と表現して成長が期待できるエリアとしてまとめています。
考えてみれば、企業のITシステムは、核となる業務アプリケーションの他に、さまざまなITを動かすための運用管理といったものがあります。さらに業務アプリケーションといっても、その周辺の付随的なアーカイブやレポーティングなどもあります。今後クラウドが浸透していく過程の中で、企業のITシステムを、こういった部品的なサービスに分解する、またベンダーがそういったサービスを提供していくといった流れを想像しました。