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企業ITもクラウド的な世界に向かい始めた今日この頃を徒然に‥

マルチクラウドとコンシューマライゼーション

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クラウドもまだ信頼性の課題などから普及段階とは言えないのに、クラウドとクラウドをつなぐマルチクラウドなる言葉も去年から取り上げられています。マルチクラウドのリアリティーは随分先だろうなと想像していましたが、正月にとりあげた米国のベンチャー企業のAppirioが、SalesforceとFacebookをつなげるアプリケーションReferMyFriends(以前からあるアプリの新版らしい)をリリースしたようです。

Salesforceは以前からForce.comにFacebook、Amazon Web Service、Gooble APIをつなぐ機能を発表していて、クラウドとクラウドをつなぐマルチクラウドには熱心な姿勢をみせていました。それをうまく使ってかAppirioがFacebookのSNSアプリケーションとSalesforceのCRMアプリケーションを結びついた訳です。Facebookがフロントエンドのようで、Salesforceをマッシュアップしているようなものだと思います。CRMユーザーがFacebookの友だち情報を見て採用情報やマーケティングキャンペーンを探すといった使い方をすることができるそうです。

SNSのように消費者むけのITが企業むけより先行して新技術が使われていき、そしていずれ企業むけのITにも影響を与える。この最近のトレンドをコンシューマライゼーションと呼ぶようで、Web 2.0などを中心ににわかに騒がれている新しいトレンドです。

一方、マルチクラウドというアイデアは、今までの考え方で言えば、SOA的にクラウドの企業アプリケーション間の連携、ITインフラのリソースをいろいろなクラウドから調達してシステムを作り上げる、などが想像しやすいものだったかもしれません。ただ信頼性などの観点ではやはり随分先のことかなと思わせます。

このSNSとCRMの結びつきは、今までの企業アプリケーション接続の発想とは全く違う切り口で、異質なものの接続と言えるでしょう。クラウドがインターネットを利用して提供されるという性質は、自然と消費者むけの、企業システムとは異質のIT技術やクラウドなどと接点を多く持つのは言うまでもないことです。Appirioのアプリケーションが成功するかどうか別として、マルチクラウドはコンシューマライゼーションによって促進されるのではと思わせるニュースでした。

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