SaaSにはじまりXaaSにいたるまでの乱造
企業のITとして今、使えそうになってきたクラウドと言えばまずはSaaS(Software as a Service)かなと思う人は多いとおもいます。非常に高いスケーラビィリティーまで実現しなければクラウドでない、という方もいるようですが、まずはSaaSはクラウドの一分野としてとらえていきましょう。
SaaSの言葉の起源を調べてみると、2001年にSIIA(Software & Information Industry Association)という業界団体が発行した"Software as a Service: Strategic Backgrounder"というドキュメントにあるようです。
これをみると、もともとSaaSという概念を新しい技術などをベースにしたというより、どうも当時流行っていたASP(Application Service Provider)、AIP(Application Infrastructure Provider)、BSP(Business Service Provider)などの似通っているけど少しずつ違うものをまとめる意味で提案しているようです。
今は、SaaSというとマルチテナント(動いているアプリケーションを複数ユーザーが共有)でないといけないとか、カストマイズが容易でなければいけないとか言われたりしますが、当時はそういった考え方は見当たりません。
さて昨今ですが、ご存知のようにSaaSにあやかり(?)いろいろな"-aaS"(なんとか as a Service)が出てきたわけです。その乱造ぶりをあらわす去年の記事をみつけました。とても一つ一つ意味も含めて説明はできませんので羅列しておきましょう。
AaaS - Architecture as a Service
BaaS - Business as a Service
DaaS - Data as a Service
EaaS - Ethernet as a Service
FaaS - Frameworks as a Service
GaaS - Globalization as a Service
HaaS - Hardware as a Service
IaaS - infrastructure as a Service
IDaaS - Identity as a Service
LaaS - Lending as a Service
MaaS - Mashups as a Service
OaaS - Organization as a Service etc.
PaaS - Platform as a Service
TaaS - Technology as a Service
VaaS - Voice as a Service
WaaS - Whatever as a Service
XaaS - Everything as a Service
正直かなりうんざりですね。まず多すぎて覚えられません。おそらくほとんどが消えゆく運命だとおもいますが。
ただ提供されるサービスとして、アプリケーションのレベルか、プラットフォームのレベルか、さらにハードウェアに近いリソースのレベルかというレイヤーの分類だけつけられれば便利でしょう。その意味では、SaaS、PaaS、HaaSが生き残ってくれればと個人的には思っています。それで混乱するとすべてがSaaSに戻るか、XaaSという最近少し使われ始めたワイルドカードのような言葉になるかですね。バズワードの生死は激しそうです。