基幹系でもクラウドの兆し?
10/1号の日経コンピュータを読まれた方は多いかと思います。クラウドの一分野であるSaaS(Software as a Service)の特集というほどではないですが、SaaS系の記事が多く載っています。その中で、ずばりSaaSやクラウドではないのですが関連づけて、「システム共同化の真実」という、地方銀行がシステムを数行ずつ共同のセンター化している話が載っています(ITproの記事もあります)。
前から話は聞いたことがあるので、単にデータセンターを共同化して同じシステムを銀行ごとに複数稼動しているのかなと勝手に推測していましたが、ハードを共同化している陣営、そしてなんと一番進んだ陣営では動いているアプリケーションまで共同で利用しようとしているそうです。(している?正確にはどういう共同化かは読み解けませんでしたが銀行コードでトランザクションを振り分けるとからしいです)。これって俗にいうマルチテナント(動いているアプリケーションを複数ユーザーが共有)に近い考え方ですよね。しかも銀行の勘定系のシステムで。
これらによってコストを3割減とか、場合によって半分近くまで抑えているそうです。また一部の陣営はさらに高機能化をすすめてSOAを採用して開発しているものもあるそうです。
その共同化のデータセンターですが、銀行で保有しているものもあれば、SIベンダーが保有しているものを共同利用しているものもあるとのこと。また課金は今のところ従量制ではなく、あらかじめきまった分担金という形のようです。
これで銀行の基幹系がクラウド化されている、とは言えないでしょうが、少なくとも技術的な面で、クラウド"的"なシステムが動きはじめていると言えなくもないとおもいます。あとは本当にSaaSのような形で特定ベンダーが保有、運営して、従量制で課金をすることでしょうか。
基幹系はクラウドにはならない、という俗説がよく言われます。ただこういう例から何故できないのか、一度疑って考えてみるのもいいのではと思いました。