リストラと平和主義
最近、以前よりリストラを目的としたBPRの相談を受けることが増えた。
個人的には寂しいというか、ちょっと悲しい気がする。
私は、最近は胸を張って言うようになったが、徹底的に「平和主義」だ。
できることなら争わずに全速前進、成長一直線の戦略を企画するのが大好きだ。
しかし、震災も含め、いろいろ後ろ向きのことが、その後ろ髪を引っ張る。
みんな、一生懸命、生きている。
たまには病気もする。ついつい怠けてしまう人もいる。
本当に怠惰でいいかげんな人もたまにはいるだろう。悪人もいるかも知れない。でも、そんな人でもしばらくして改心し、そしてみんなで頑張る姿勢に同調する。
ひとえに、「みんなで頑張ろう」っていう気持ちが統一され、且つ高い士気に高揚されていれば。
多少の犠牲はやむを得ないと説く上司が以前いた。考え方はある意味もっともだ。
だけど、それは、その「犠牲」に心から涙を流して詫びることができる人に与えられる資格だ。
自分には、とてもそんな資格はない。だから、ずっと平和主義を貫いてきた。
いつしか、自分もなんかいろいろ権力を持たされた。持って、使わざるを得ないところで使ってきた。
平和主義の「権力」は、結構エゲツナイ。その上司の言葉を(仕方なく・・・^^;)引用すると、
「いつもニコニコして、ニコニコしたままでひどいことを要求したり指示するんだ!」
悲しいかな、結構そういうことができてしまう。それで平和主義なのか。こんな客商売でいいのか。葛藤する日々だ。
数年前、外資系金融で役員をやっている友人から電話がかかってきた。
「どうしたの朝から?」
「うん・・・実はグローバルから指示がきて、今日3人リストラしなきゃいけない。対象は決めたけど再就職先を紹介してあげたい。お前んとこで1名でいいから引き取ってくれない?」
「そりゃあ当社枠にはまる人ならいいけど・・・っていうか、俺も教育はきちんとするから変身したらお前んとこにコンサルタントとして、逆提案していい?」
「えっ!そりゃダメだ。リストラしたんだからコンサルタントとしてリターンはないよぉ。」
「なんだよー。じゃあ成立しないんじゃん。自分のコストからオフ・バラしておいて外部コストなら必要なときだけ調達できるんだぞ!」
書くと笑い話に聞こえるが、切る方も切る方で、真剣に悩んでいるのであった。
友人知人にもリストラされた人がいる。私も現職に着任したときに一部の人はリストラを泣く泣くやりました。自分が、これから建て直す当社内事業のヴィジョンやケーパビリティにフィットしていない人達にはいずれアサイン先がずっとない生き地獄が待っている。そんなことより再就職先を探してあげる方がよほどプラスと信じていた。
そして、
その知見が最近、ついにクライアント・サービスとして開花した。してしまった。
誰よりも丁寧にやる自信はある。だから派遣・紹介業の免許まで取った。
でも、・・・そんなことが盛況でない世界、社会が、早く来ますように。