サービスレベルを戦略抜きに悪くするからさらに日本は競争力を失っている。
この10日間近くはビジネス中心モードでなかっただけに、東京+郊外のいろんな人的サービスを観察する機会がありました。
旅客でいうと、電車、バス、タクシー、そして航空機。
飲食店も、レストランに一般的な食堂、居酒屋に焼肉屋、そしてラーメン屋等。
銀行や保険等の金融サービス。
スーパー、百貨店、コンビニ等の流通サービス。
そして公共サービスに医療サービス。
いろいろ観察機会がありました。良い悪いいろいろありました。ただ平均的には感動よりも不満足なものが多かった。たぶんに自分が良すぎるサービスレベルを求めているのだろうとも思いましたが、一方で、
サービスレベルに対する戦略がないっ!(泣)
良いサービスも確かにあるんだけど、満足できないもの、悪いものについては、その程度に「日本らしさ」がないというか、本来は高品質志向で丁寧だった日本の伝統的技術伝承が失われている気がしました。
これは自分のビジネスにも多いにあてはまります。
品質を意図的に下げることは、戦略的にやれば大量生産やスピード提供等の別価値向上につながることになるし、品質過剰はそもそも問題でもあるので、「適正化」を目標に効率化や多重化を目指すのは良い試みだと思います。
コンビニでホテル並の丁寧なサービスをされたら気持ちはいいけれど急いでいるときに丁寧すぎる応対されたらむしろいらいらするかもしれない。かといって、袋詰めやお釣り渡しが乱暴だったらイラっとするだろうし。
病院だってさっさと薬をもらいたいときもあればきっちりじっくり診療してほしいときもある。
旅客だって乱暴だと嫌だなと思う反面、丁寧すぎてのろのろ走られたらそれもねえ・・・
要は、人間、ワガママなんですな(爆)。
そんな人間サマにサービルレベルをあわせることは大変なことだと思うけど、サービスにしたって製品技術にしたって、日本の高性能高品質は一時期ウリだったはずなのに今はそのポジションを見失っていますねえ。
保険サービスが1つのいい例ですが、高品質でいくかディスカウントショッパーでいくか、基本的には2つに1つ。だけど一部の企業がその間に「サンドウィッチ」になっています。「サンドウィッチ」企業は決して大成せず、かといって一度ここにポジションしてしまうと行き場がなくてずっともがくだけになってしまう。相談はお請けしますが、なかなかお救いするのが難しい。そのポジションにアンカーを打ってしまった時点でかなりヤバイのです。要は品質レベルを相対的にコントロールして、その上下のどちらかにターゲットすることが肝要。
こういう工夫を日本は失っています。なのでその総合体であるマーケット全体の品質レベルも国際競争力を失っているなあと。
安価に走る方が稼動(就業率)はあげられますが、安価を売りにマーケットを席巻している国が既にいくつか先駆している状況です。自分としては、今こそ品質重視に回帰してほしいなと思います。そして、自分も含めてですが全てのサービス提供者、利用者に、そういう品質注視の習慣を求めて行きたいなと。自身も基本はコスト・サービス業者ですので、そういう方向に貢献したいなと思う今日この頃です。。