天下り自体がひとえに悪いことでもない気がしますけどねえ・・・
天下り原則禁止なんてNEWSをみていて、故郷の父を思い出してしまいましたが、父も元郵政で、大枠で括れば天下りに相当する「再就職」を2回やりました。高卒でキャリア組でもなかったが最終的には県の中央郵便局長にまでなった私にとって誇りの父です。彼曰くどんどん給料が下がっていったそうで、それでも「まったく働かなくなったら怠け者になってすぐ死んでしまう」とか言って、あいかわらず忙しそうに仕事をしています(苦笑)。思えば母も「これからがチャンス!」と隙あらば旅行に出かけたり、そして妻は毎週末、1日あたり2つも3つもイベントを組んでは私すっかりおかかえ運転手(泣)、あー、どうしてうちの家族はサメやマグロみたいな性格なのさ(爆)。
彼彼女らと触れ合っていると、まったく仕事の忙しさから解放されると余生が短くなるという理論もなんとなく理解できるというか、・・・というわけで少々こじつけっぽいですけど(笑)、天下りみたいな「一線から退き、別の居場所で新しい仕事に勤しむ」こと自体は、一概に悪いことではないと感じます。
ただ、もっとも世間でさわがれているのは、きっと再就職の割に待遇がいいとか、仕事内容も楽だとかそんなことがくっついているからですよね。
終身雇用というより転職当然みたいな環境になりつつあるわけで、「再就職」自体は悪いことではないと思う一方で、当人にちゃんとした努力もなしに、新しい「再就職」先が提供される手続きや慣習は廃止されるべきだと思います。それに個人的には「天下り」って言葉が下品っていうか・・・誰が考えたんだろう、あまりにも的確というか(苦笑)、やんわりと「悪いイメージを持たせる」言葉というか・・・
「天下り」とは決して呼びたくないし呼ばれたくもないが、コンサルタントをやっていると、いくつかの「その先の新しいキャリア・パス」、選択肢の1つに、クライアント企業への転職というのがありまして、これは超意訳すれば、「経営コンサルティングしたクライアント企業に自身が再就職して、その後の発展・再建を見守るかわりに、それなりの待遇を獲得する」みたいな話なので、これもこれで条件次第では批判の対象になるなあと、複雑な気分(考え過ぎですかね?)・・・
著書をはじめ昔から持論を展開しているんですが、コンサルタントをやっていると「担当クライアントやプロジェクトが変わるたびにプチ転職する気分になる」のです。それで麻痺してしまうのか、必要を感じれば何度でも転職する人もいますからね。RESUMEみると、「よくこれだけコロコロ変わるよなあ」と本音で思うときもあります。別に批判するつもりはありませんけど、転職受け入れ先からすると正直第一印象は「これで当社に転職しても、またすぐによそに出て行ってしまうんだろうなあ」って思われるでしょうしね(苦笑)。
考えれば自分がいま多角化しようとてがけていることも照らし合わせると、派遣のような期間限定就業機会や再就職支援をやっているわけなんで、まっこうから反対を唱えてもしょうがない気もしますし・・・適切な条件変更のもとで、また的確なミッションやロールが設定されたポジションへの就業という前提で、再就職支援については応援したいと思っています。
もっとも、存在自体がコストであるコンサルタント業にとって、明日は我が身じゃないけどいつまで就業機会に恵まれるかは本当にダイナミックな世界にいる(つもりな)ので、自身の将来の転職・再就職先ってどこなんだろうと、NEWSをみながら自身の今後について考えにふけっているのでした・・・