ETCが安くなったことで誰が窮地に追い込まれていくのだろうか
もうお盆も終わりに近づいてきましたが・・・今回のETC割引の影響をみていて、自分のビジネスモデル改良の参考というか、なんかいろいろ考察される気がしています・・・
ETCによる高速道路通行料の大幅値下げによって、ETCの普及率があがり、高速道路はよりスムーズに料金所を車が通過して、料金所渋滞の解消に寄与します。
私も妻子がいますが、家族連れからすると、周囲から冷たい視線を浴びながら長時間の移動は正直苦痛です。私だって他人の子がぎゃーぎゃー騒いでいたら不愉快ですから。
だから、運転手はこれはこれで本当に辛いんだけど(泣)、それでもマシだからということで、新幹線や飛行機、フェリー等の代わりに自家用車で旅行する方にバイアスがかかります。
新幹線とかが苦痛だからと旅行自体に消極的だった家族も、むしろ自家用車ならと旅行に出ていくかも知れません。それが影響しているのか、都内の行列で有名な大型飲食店なんかも、このお盆は比較的ヒマになっている気がします。この2週間、いつもひいきにしている超有名行列店を2件尋ねましたが、これまでみたこともないくらいヒマでした!
でもさらに、それだけでは済まないのかも知れないと思うのです。
つまり、ETC自体をビジネスにしている事業会社にも影響がおよぶリスクがあるのでは・・・なーんて。
ETCの利用率があがっても、利用者が激増しても、料金も超割安になったわけで、必ずしも採算向上になっているとは、各地域で一律は言えないように思います。これはまだ広範囲に確証をとりつけたわけではありませんが、どうもそういうビジネス環境変化ももたらしているように感じられてなりません。
ETCの利用単価が下がり、機器の品切れ等普及の伸びやスピードにも限界もあり、結局利用総件数が増えても合算すると本当に儲かるかどうかはわからないわけでしょうから。
ユーザとしては安価になるのは歓迎ですし、いろいろ試験的にやっていること自体はそれはそれでいいとして、なんか行政上の課題も感じられますね。
クレジットカード会社は大抵ETCカードはカードホルダーには無料で追加発行してくれることが多いです。なので、私もついついよく使うカードはETCカードも作っちゃっています。でも実際カード会社にとっては、利用されないETCカードはただの発行コスト損です(ゴメンナサイ!)。
ETCが創る近未来の1つの案として、ETCが決済手段となって、例えばドライブスルー形式の決裁、カー・イン・シアター、その他クルマに乗車したまま利用する商取引の決済ツールに発展することは希望とされるところでしょう。私も個人的には賛成ですし、クレジットカード決済という手段にアレルギーのない人であれば、ETCと携帯電話が融合してしまっても問題ないという人もいるのではないでしょうか(技術的ハードルはある前提での話と理解しています)。
そもそもETCは車のためだけに存在しなくてもいいわけですから、どうせ乗車中は操作禁止の携帯電話がETCカードの機能をすべて代替してくれたほうが、私なんかはむしろ置場に困らずせいせいします(笑)。そのうちカードも携帯も持たず、人間が発するサイン、指紋や虹彩、そして口頭で暗号化されたキーワードを発生することによる認証機能で好きなブランドの手段で決裁できる時代もそのうち来るのでしょう。ETC事業のマーケットがそうやって発展していくといいですね。
あ・・・個人的には首都高速ばかり、高速道も短距離移動が普段多いせいでちっとも割安感を体験できないためか、すっかり好き勝手なことを言ってしまいました(爆)。すみません・・・
安くすればたくさん売らなければ結果として勝つことができません。
競合にはっきりと価格負けすると、相当に別の付加価値で勝負できないと、時間をかければかけるほど負け(損益)が拡大します。
最近見直し中の自身のビジネスモデル、サービスデザインのヒントとして、とても参考になっています。同時に、とても怖いです。これからはただ安いだけでは十分売れない時代です。すっごい良いもの、魅力的であっても、高いというだけでちっとも売れないこともあります。
事業戦略の有効期限がとても短くなった気がします。そういえば、とても見やすいところに思いっきり白髪が出来てとてもショックです(涙)。どうしよう、抜こうかな・・・でも縁起悪いんだろうか(苦笑)