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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

サービスレベルとQCDの相関を昔と今で比較してみた

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これまでよくタクシーを題材にサービスレベルについてのエントリを書いてきました。

 

歯車の合わない散々な一日

!運命の再会。

タクシーでSUICA/PASMOが使えるようになった!

メルセデスベンツのMKタクシー

タクシーが値上げするらしいですが・・・それならもっと取り組むことがあるんじゃないの?

 

少し具体的な話になりますが、私は日本交通という大手タクシーの黒タクを通常は好んで予約します。予約自体に400円、時間指定すると400円さらに余計にかかりますが、以前同社のある方に問い合わせをして、次の観点からやむなく流しを拾う場合は別として、あらかじめタクシーが必要な際は予約をしておきます。

黒タクは基本「勤続2年以上で審査の上合格した人のみ運転資格を持つ」らしく、よって最近就業した経験の浅い人になることはないはず。

ということで地理にもそれなりの詳しさもあるだろうし、運転マナーや接客態度もそれなりに良いはず。

流しでもそういう人にもちろん乗れる一定の確率はあるが、タイトスケジュールだからタクシーに乗るのであって、そういうタクシーを探して選んで乗るほど余裕もない。というわけで場所と時間を指定して予約しておくと便利である。

 

正直言うと、たまーに、接客姿勢が悪かったり、地理に詳しくなくて遠回りしたりとか、ひどい目にあったこともありました。それでも、

流しを拾うよりは起きた確率はかなり低かったのだろうと割り切れる。

また残念ながら起きたときも、同じ企業にクレームを言える方がこちらも冷静に建設的になれる気がする。

 

のでして。

さらに、なにより乗車履歴が一元管理してもらえるので、予約する際の場所や個人情報の伝達は楽だしスムーズです。何度も利用すればするほど便利ですね。

 

ところで時々、悩ましいなあと思うのが、「サービスレベルにおけるQCDの優先順位の変化」で、別にタクシー業界に限った話でないわけですが、例示を続けると、

私の基本は、高くつくのはもちろん嫌ですけど、運賃(C)は明らかな過請求でなければ、

早く着きたい(D

快適に着きたい(やさしい運転、接客姿勢、Q

 

という思いの方が強い。ただ、

これらQCDの優先順位が常に同じとも限りません。

 

たとえば怪我をしていることもあり、やさしい運転は現時点では結構PRTYPRIORITY、優先順位)が高いのですが、普段健常でいて且つ超急いでいるときはQなんかより徹底してD優先だったりします。

所詮、顧客ってワガママですよね・・・苦笑

 

重要プロジェクトはじめ企業の取組についてアセスメント(診断)する際に、QCDそれぞれに対して調査、分析、評価、提言、を順次やっていくのですが、この頃のクライアントのQCDに対する基本的なPRTYも、旧来と明らかに変わってきたように思います。

 

一昨年くらいまでは、私は一様に「スピードも品質評価指標の1つ」なんてうたっていました。そのくらいD(納期)重視で診てほしいクライアントが多かった。経営目標的にこのプロジェクトはなんとしてでも○○年○月○○日に完了しなければならない。そのD(納期)達成のためには多少のQ(品質)やC(コスト)を犠牲にすることはやむを得ない、だから何とかして!!っていう依頼が多かったですね。

いつも声高に言っていたのですが、QCDはそれぞれが相反関係にあります(厳密には微妙な相関もありますが、基本的には)。ですから途中でプロジェクトがおかしな状況になっていることに気づいた時点で、QCDのいずれかを犠牲にしたリプラン(計画見直し)が必要です。

程度はどうあれ、納期は買えない中で、下がった品質の再確保のために予定外のコストをそれでもいかに効率的に支出するか、コストを予算範囲におさめるために品質をどこまで妥協(要件取り下げ)するか、等の考え方が主流でした。ですから、当初目標の品質達成のためにやむなく納期を妥協(延期)するという判断が非常に鈍かったように思います。

Time to Market」という考え方があって、スピードを損ね、新商品・サービスの提供が遅れたら参入が無意味ということで、ITがその革新スピードに追従できなければ意味がない、そのためなら多少のコストは妥協しよう、あるいは品質を妥協して一部はIT化せず人海戦術で乗り切ろう、みたいな考え方でした。

 

ですが、最近は不景気の折、C(コスト)重視の比率が高まっています。

典型的な例示ですが、コストだけは厳守したいので機能を一部放棄して納期も守れるならそうするが、品質の妥協が取組を無意味化するため、納期遅延で品質もコストも守れるならそうしよう、ついでに支出の繰り延べができれば今期に限ってはコスト削減が可能になる、それで経営体力が回復したらまた投資再開とすればストーリーもスムーズだ!という考え方が結構多くなりました。

追加投資はムリ!でも取組放棄は経営責任を問われる。やらなきゃ途中までに投資した買い物(機材やソフトウェア)はWrite Off(除却)を迫られる。取得しちゃったものだけは有効活用しなきゃ!!・・・という考え方がはっきり経営サイドにみられてきました。

 

悪い考え方ではありませんが、1つ気をつけたいのは「延期」によって取組(完了)の効果が薄れることもあるわけで、その場合はむしろ投資圧縮(コスト削減)がさらに必要だということです。

経営環境が厳しいことから「イケイケドンドン」の戦略はできない=コスト・センシティブな戦略の中で、我々コンサルタントもコストですから、我々の活用も慎重な検討をいただくことになります。「というわけでコスト圧縮の折、コンサルタントを買う余裕がないんで自分たちでなんとかします」ということも多々あります。商売的にはもちろんできる限りのお手伝いをしたいわけですが、ない袖を振っていただくわけにもいきません。

 

それでもやはり外部の知見を活用したい、という企業マネジメントの方々には、もしよろしければ弊社、当職にご相談いただければ幸いに存じます。

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