オルタナティブ・ブログ > トラパパ@TORAPAPA >

IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

多重債務と自己破産

»

先日、知人の依頼で或る人の多重債務と自己破産の解決方法について相談にのって欲しいといわれました・・・

 

・・・えーと、まず、あのですね・・・

私は金融機関向け経営コンサルタントですけど、個人の債務相談は範疇じゃないのですが・・・爆

 

・・・まあ、反対側でコンサルティングする立場とは言え、当然詳しい。

詳細はさすがに省略させていただきますが、私もちょっと昔に「お痛」して、かなりきつい多重債務経験もあったりして、・・・相談にのれてしまうところが悩ましい(苦笑

 

というわけで、かなり詳しいアドバイスが出来、喜ばれたおかげでこれから定期的に相談にのらなければならなくなりました(涙)。

(注:有資格者の範疇の相談内容にはお答えしておりません。その手の質問は有資格者を紹介して対応しています)

 

貸金業に関する規制法は確かに厳しくなりました。

利息制限法等に基づき、過払(返還)請求等の行為が結構さかんになっています。

 

超簡単に解説すれば、現在の金利上限20%を超える過払分の返還を求めることですが、まあ、個人的には貸金業者にコンサルティングする立場と元債務者としての経験を総合して、あくまで個人的な思いで申し上げるのですが・・・法律改訂自体はいいとして、過払請求により貸金業者の経営悪化という事象も無視できないし、タイトルに書いたように、多重債務と自己破産の天秤を(私が思うに)安易に判断していく流れにならないことを願うばかりです。

 

多重債務に陥ると、返済のための「自転車操業」という最悪のスパイラルが始まります。

 

当然借り増しすればするほど、後続する借り入れ金利がどんどん高くなっていき、与信限度を超えれば、通称トイチ(都1)や闇金へ手を伸ばさざるを得ません。これらは違法取引なので、法規制を傘にきれば、弁済義務なし=以降はいっさい支払いしません、という交渉になるそうです(知人NPOの話)。

 

法的専門家じゃないので、あまり微妙なことに発言する権利を私は持ち合わせていませんが、1つあるとしたら、過去私がお金に困ったときに消費者金融(闇金じゃないですよ)から借金をしたときの思いとしては、まず「すぐに融通してくれてありがとうございました」だったように思います。金利は確かに高いのだけれど、そのときにすぐ融通してもらえたことがどんなに有難い「助け」だったことか・・・確かに一方でひどい営業、回収をする悪い業者もいますが、もう貸金業に頼るしかない現状で融通してもらい、それに対して「感謝の気持ちで」ちゃんと返済していく人達も一定量はいるはずで・・・せっぱ詰まった状況にいる人は、容赦する余裕もないので過払請求によって弁済総額をできるだけ切り詰めるのは大事な判断で正しいプロセスとも思いますが、自己破産は選択したくない、したいが条件を満たさないから、という話を実際こうして具体事例として詳細聞いてしまうと、・・・とても複雑な気持ちです。

 

当時の法規制では許されていた(ようにみえる)金利に合意して借りた人の返済責任はどこにいくのだろうと、ちょっとだけ無責任さも感じます。これは債務者、債権者というより、法規制を整備し、業者を指導する政府・関係省庁の責任を一番危惧する思いです。

 

借金に負われて、家族の生活も自分の生活も、通常の生活を送っている人からすると信じられないくらい切り詰めたものになっている具体例を、目の前で詳細に明らかにしていく体験を今回し、自分がいかに今幸せか、不謹慎かもしれませんが、とても切なくなりました。

 

自分には資格が足りませんが、

 

「借りたら約束通り返す」

「貸す側も法規制をきちんと守りその範囲を超えては決して貸さない」

「債務者の生活をいかに立て直すかのサービスを債権者や政府・関係省庁はきちんとサポートする」

 

もしできることがあれば、もっと貢献できる道を、自分の職務範囲とはいえ、今後は考えていきたいなと思いました。

 

徒然に書いてしまいましたが、関係者の方々には本当に貧困している人々への配慮を今一度、さらに考えて欲しいとこのたび痛感いたしました。

 

私には相談を受けた人をはじめ、貢献できる対象の方々へは今後もできることは(個人的にの範囲ですが・・・)していきたいとは思いますが、危ない橋の先から無事生還できた自分としては、今悩んでおられる方々が一日も早くその危険な状況から脱却していただけることを、心から祈念申し上げます。

 

Comment(0)