『イコール・パートナー』
我々は別に顧客に「使われている」わけではありません。基本スタンスは、礼節を弁えた上で、自由に意見も言い合って、合意しながら対等にプロジェクトを進めていくのです。
確かに、たまには「わがままな」お客様もいます。
私が入社後最初のプロジェクトで、プロジェクトオーナーたるお客様の担当部長(正確には理事格)にご挨拶して名刺交換しました。
交換した直後にこう言われました。
「金払うのは俺たち。苦しむのはアンタ!」
ひーっ!なんだこの業界?!
そう思いましたが、このプロジェクトは当時難航していてPMも交替して間もないこともあり、ご立腹と伝え聞きましたが、・・・今も思いますが、名言だと思います(笑)。
そうです。安い金額じゃないですからね。
それでも、当時もその後も、常に当社(前職です)はお客様と対等に付き合っていけました。
で・・・
あるプロジェクトで、どうにもこうにも問題が多くて、稼動後の保守フェーズにあるプロジェクトで、障害がなかなか減少しない中、お客様が怒って、こう言い放ったのです。
「お前ら、客の俺たちに対して、何様と思ってるんだーっ!!」
即座に当時のプロジェクトマネジャーが返事しました。
「イコール・パートナーですよ!」
・・・無言の3分間。
同席していた部下(と言ってもマネジャー格です)が涙をこらえていたのを思い出します。
普段どんなに叱責されても、正念場で根幹の問いをされたなら先頭にたって「部下を守る」。
日頃の努力が報われたと、彼らは感動していたのです。
最近、なかなかここまで割り切って「部下を守る」ことができないケースが多いです。
上司の器の問題もあるし、部下の素養の問題もあるでしょう。
どっちか、「ゼロ100」という話じゃないと思います。
プロジェクトの受発注条件、契約条件だって以前とは違うでしょうし。
ただ、「部下を守る」、しかも理論整然と、胸を張って。
これは(叱責されていると本当にアタマに来ますが)尊敬に値します。
そんな人が、最近減ってきた危惧も感じる次第です。
今日、あるプロジェクトで毅然とこのように振舞うPMに出会いました。
まだまだ世の中捨てたもんじゃない。
自分も、良い機会なので自分を見つめなおそうと思いますが、本エントリがなんとなく同調される方の、見直しのきっかけになれば、誠に幸いです。
拝